みんなのあいどる

「霧野、お前、ズリネタにされてるぞ」
「……はあ?」
霧野は勢い良く雑誌を閉め、こちらに目線を向けた。その目つきは鋭く、突き刺さりそうだ。
「ですから、霧野さん。キミの事を妄想して毎夜ひとりで処理をしている人が多数居てですね」
「ほう、それは、具体的に言うと、どなたですかね神童さん」
何故か敬語で会話が始まる。まあいい、話を続けよう。
「ええとですね、サッカー部、野球部、同じクラスの男子、あ、そして俺ですかね」
「おいおい。お前もかい」
ぼすん、と肩を叩かれる。地味に入った、じわじわ痛い。
「何で俺なんだろうね?他にも可愛い女子とかいるだろ?」
「霧野、お前は男子にとってファンタジーであり、フェアリーで、アイドルであってだな」
「言ってる意味がわからない」
「要約すると、エロくて、魅力的で、汚したくなるってことだ、って、暴力反対!」
俺は本当のことを言ったまでだ。雷門中の男子全員の思っている事を伝えただけなんだ。
それなのに、霧野の拳は容赦なく飛んでくる。


「昨日の夜だって、俺は抜いたっ」
「はあ!?昨日俺泊まったじゃん!いつ?」
「霧野がぐっすり寝てる横で!凄い贅沢だろ?霧野がいるのに、妄想の霧野で抜くなんて」
「なに自慢げに言ってんだよ、あきれるー」




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