欲しいもの


「なあ、霧野、プレゼントとかもらえるなら何が欲しい?」
「ゲーム」
「それは親に買ってもらえよ…」

まだまだ早いが、クリスマス、というイベントの為に質問してみたのだが雰囲気ぶち壊しの霧野さん。
ゲームしてる最中に聞く俺が間違っていた。そうに違いない。
画面の動きにつられ体を左右に揺らす霧野を見て、ため息をつく。
俺自身、考えてはみたんだ。花束、洋服、香水。全て女性なら喜んでくれることは間違いないだろう。
だが、霧野は見た目女性だが、れっきとした男な訳だし。
何を贈っても喜んでくれるとは思うんだ。だけど、霧野の欲しいっていう物をあげたいなっていう男心もこちらとしてはあるわけで。
「なに、拓人なんかくれるの?」
霧野はゲーム機の電源を消し、コントローラーを机に置くとこちらを覗き込んだ。
「ああ、まあ、いつかは」
「んー、じゃあ、指輪、かな」
おい、なんだこの子は。満面の笑みで、すごい事言ってくれるじゃないか。
指輪っていうのはあれですか?結婚しても良いよ、っていう意味で受け取ってもいいんですか?
「サイズ、測らせてくれるか」
「な、何、じょうだん、冗談だってばー」
「いや、冗談でもなんでも良いからとりあえずもう俺は決めたからなっ」



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