食欲の秋

「そんなに食ったらあれ、あれになるぞ、牛」
客の少ない定食屋でひとり、もくもくと食う霧野。
周りの目が気になったりしないのかお前は。
その可愛い顔で大食いってどうなの、ギャルなんとかよりタチが悪い。
「最近やたら食欲がわいてきてさー!」
にっこにこしながら大盛りのご飯をたいらげる。
「ねえ、神童、もしかして俺…」
神妙な顔つきで、こちらを見る。
「いや無理。妊娠してるわけがない」
「あははー、そうだよねー」
すごい冗談を大声で言うな。また周りがこっち見てるし。
ていうか腹がすっごいパンパンになってて妊婦っちゃあ妊婦に見えるが。
「ごちそうさまっ。神童♪」
「あ、ああ」
そそくさと会計を済ませ、そのまま自宅へ帰る。
もちろん霧野つき。もう自分の家だと思っているに違いない。
毎日毎日俺の家に来てるしな。来ない日のほうが珍しい。
「はあ、これ見てー」
シャツをめくり、大きくなったおなかを見せびらかす霧野。
うわあ。妊婦ってこんなになるのか。大変だな。
とりあえず、一生懸命の作り笑顔をしながら腹を撫でてみる。
「あー、パパでちゅよ」
「ぎゃはは!ないわぁー」
シャツを下ろし、ひーひー言いながら笑う霧野。
でも、その姿は俺にとったら全然アリで、ちょっとむらむらしてしまっている自分がいる。
「なあ、霧野さん、ものは相談なんだが…」
「なになに?珍しいね神童さん…ってええ?なに?ちょっとまっ」
そのままお姫様抱っこをして、ベッドに勢い良く下ろす。
「うあ、ちょっと、おなかいっぱいなんですけど!」
「違うだろ?そのおなかは、赤ちゃんいるからそうなってるんだろ?」
ニヤニヤしながら腹を撫でると、霧野も乗ってくれたようで抵抗はしない。
「もう。しょうがないな。あんまり激しくしたら、駄目だからね」
「わかってるって」

・・・

いつもの体位で、じっくりと霧野の裸体を見る。
お腹がぽっこりと出ていて、かわいらしい。
「ゆっくり、入れるからな」
「あ、う、たくとぉ」
足を開かせ、慣らしたソコにゆっくりとモノを挿入する。
先走りで濡れていた俺のモノはすぐに飲み込まれ、きつく締め付けられる。
「ん、あっ、奥まできて、る!」
「ああ、きゅうきゅう締め付けてくる、霧野は奥が1番良いんだ?」
徐々に速度を上げていくと、ぐちゅぐちゅと結合部から音が漏れる。
霧野はシーツを握り締め、いやいやと首をふった。
「あ、は、そんなに、したら、赤ちゃんがっ」
「赤ちゃんに挨拶してるんだよ、俺はっ」
霧野の薄くて細い腰を掴み、がんがんと揺さぶる。
片手は腹を撫でるのをやめない。
「あ、う、俺、壊れちゃうっ、たくとっ」
「いいよ、俺も、いきそ…」
「なか、に、出してっ!」
「……っく」
意識朦朧としている霧野に覆いかぶさり、囁く。
「赤ちゃんが生まれても、蘭丸を一番に愛すよ」

・・・
「はあ…」
「なにため息ついてるんだよ」
「お腹、引っ込んじゃったんだよなあ」
「お腹出たままだったらさすがの俺もびびるわ。霧野の親父にも怒られる」
「できるわけないんですけどねー」
「ねー」




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