夏ですね 昼休み、屋上でゆっくりとご飯を食べ、休憩中。 霧野は雑誌を広げ、「ほう…」だの「いいなぁ」だのと言っている。 「何見てるんだ?」 「夏祭りと花火大会、今年凄いらしいぜ」 「ふうん、夏休み入ってからすぐだな」 「神童、覚えてる?去年の夏祭りさー、皆で行ったじゃん」 「ああ覚えてるよ」 「俺食べなかったけど、夜店のさ、きゅうりの一本漬けうまかったわけ?」 「あれ、なかなかうまかったよ」 「へぇー」 そういえば、皆で行った祭は楽しかったな。 途中で先輩達と合流して、おごって貰ったし。 門限やぶっちゃって、結局霧野の家に泊まらせてもらったりな。 その時はまだ、今の関係じゃなくて、布団の中で緊張して寝れなかったんだが。 「なあ、今年はふたりで行かないか?」 雑誌を真剣に見ている霧野に、聞いてみた。 「…え!?なに、それ!」 雑誌を手から離し、瞳をキラキラさせる霧野。 よっぽどデートの誘いが嬉しかったのだろうか。 「今度、浴衣見に行こうぜ」 「うん…楽しみにしてる!」 ゆびきりげんまんした後、丁度チャイムが鳴ったので俺達は教室に戻った。 |