ほらよ

「ほら、受け取れ」
「え、これって、これって!」
「要らないなら、俺が食うが」
「いる!いります!有り難く頂戴させていだだきます!」
部屋に入った途端、渡されたもの。
それは、可愛らしくラッピングされたチョコレートだった。
目を伏せ恥ずかしそうにしている剣城と、チョコを交互に見てにやにやしてしまう俺。
「手作り…剣城の…手作り!」
「あんまり、じろじろ見るな…」
どんどんと剣城の頬っぺたが赤くなっていく。俺の為に一生懸命作ってくれたんだと思うとなんだか嬉しくて堪らない。
「ありがと、剣城」
「あ、うあ、おまえっ」
抱き寄せて、触れるだけの口付け。
「チョコより先に、剣城を食べたいんだけど、いい?」
「す、好きに、しろ…」


「あ、あ、そこ、ばっかり、や、め」
すっかり立ち上がってぴくぴくと震えている剣城のものをゆっくりと扱く。
ピンク色に腫れ上がって蜜を垂らすそれは美味しそうにてかてかと濡れそぼっている。
「あ、んっ」
それをべろり、と舐めるとわざとらしい位に大きな声で喘ぐ剣城。
「んっ、それじゃなくて、あ、うっ」
「なに?どうして欲しいの剣城」
ゆるゆると扱きながら聞いてやる。勿論何を求めているかなんて知っているけどね。
涙目になりながら俺を睨むその瞳が俺を興奮させる。
「ここ、に、はやく…っ」
「うん、可愛く言えたね」
ひくひくと物欲しそうに蠢いているそこにゆっくりと挿入する。
指を絡ませうっとりとした表情の剣城にまた俺のものは反応し、質量を増していく。
「剣城、好きだ、よ」
「天馬、てんま、っ、あ、あ、きもち、いいっ!」
無我夢中で腰を打ち付ける。
ぐちゅぐちゅ、と繋がったそこからは卑猥な音が漏れた。
覆い被さり、首筋に吸い付く。微かに香る剣城の良い香り。掠れた剣城の喘ぎ声。
どんどんと切羽詰って奥へ奥へと押し付けた。
「あ、あ、いく、てんま、だめ、だ、もうっ」
「なかに、出していいっ?」
「ああ、出して、出して、はや、くっ!あ、ああっ!」
「…っく、う!」
ぎゅう、と締め付けられて我慢できずに射精してしまう。
弓なりにしなる剣城の細い体。汗がぱたぱたと弾けた。
虚ろになった瞳は俺をぼんやりと見つめている。
「好き、だ、てんま」
「ああ、俺も、大好きだよ」
濃紺の髪を撫でると、剣城は安心した表情で眠りについた。




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