思春期男子@

恥ずかしい話、実は俺、"童貞"である。
霧野先輩と付き合ってはいるけど、未だにキス止まり。
実際頭の中では何度も何度も先輩を犯し、汚している件については先輩には秘密だ。
先輩のほうはと言うと奥ゆかしくて、真っ白で、乙女そのもの!
だからなんとなく手を出しづらいというか、どうやってその流れに持ち込めばいいのかとか、いろいろと葛藤してる最中である。


『天馬、今日は楽しかった。また連れてってね♪』
後数分で日付が変わってしまう頃、先輩からのメール。
先輩からのメールを何度も読み返しては、ニヤつく俺。
久しぶりのデートで、本当に楽しかった。さり気なく手も繋げたし。
それだけでも、俺は大満足だ。なんてそう思えるのも今日だけで、明日からまた身勝手な願望が頭の中を支配していることだろう。
「あー、どうかしてるよー、俺ー」
頭をぐしゃぐしゃと掻いた後、一人寂しく枕に抱きついて就寝。
夢で霧野先輩のあられもない姿が見れる事を祈るばかり。


もやもやした気持ちを発散するために朝から自主練。
「うおー!サッカーなんてやってられないよーもう!」
"サッカー<霧野先輩"になってしまった今、練習なんて身に入るわけがない。
「なに?なんかあったのか?」
「うあ!せ、先輩!?」
頭を抱える俺の前に、いつの間にか先輩の姿が。
首を傾げて俺を覗き込む姿が可愛すぎて直視出来ない。
「何でもないですっ」
「んー?なんか顔赤くなってる!なんで照れてんの!」
俺の頬っぺたを引っ張って先輩はけらけら笑った。


授業中。案の定勉強なんか身に入らずうわの空。
朝抓られた頬を撫でては、先輩の事を思い浮かべるばかり。
「松風、お前、なーにニヤニヤしてんだ」
先生から名指しで指摘され、クラス全員に笑われたけど全然気になんかしていない。
何故なら俺は今幸せだからだ。朝から先輩を見れたし、しかも今日うちに来たいって言ってくれたし!
ラッキーな事に部活も休みな訳で、早く授業が終われば良いなとそれだけを考えていた。


放課後帰る途中、どきどきしてしまい一言も喋れずそのまま木枯らし荘へ。
今日は1歩だけでもいいから進展させる!絶対に!
「おじゃましまーす、って、う、ひゃ、あ!」
「せんぱい!」
先輩は何がなんだかわからない、って感じでぽかんと口を開けている。
さすがに早まり過ぎた、気も、する。でも、ここは勢いで行かなければ。
「先輩、好きです、大好き、です」
学ランを脱がせ、ワイシャツのボタンを外していく。
はじめて見る先輩の白い肌。鎖骨のラインがすごく綺麗で俺はごくり、と喉を鳴らした。
「は、う、てん、ま」
「お、俺、先輩を、抱きたいんですっ」
がばり、とワイシャツを豪快に脱がして、胸の突起を弄繰り回す。
「…すいません!俺、もう、我慢できないんです!」
「あ、んっ!だ、め!結婚するまで、だめぇっ!」
「待てって言うんですか、てか、どんだけ乙女なんですか!」
言ってることは御尤もだけど、もう俺は決めたんだ。
俺は先輩に覆い被さって抱きしめると、また愛撫を始めた。


続く。



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