す、き

先輩に何度、すきと言っただろう。
何回、言われただろう。
今だって、胸の中に小さくおさまっている先輩は恥ずかしそうに愛を囁いてくれているわけで。
これからもその回数が増えていくんだと思うと、自然と頬がゆるんでいく。


「先輩、俺も好きです」
ピンク色の髪の毛をくしゃり、と撫でると小首を傾げて微笑む先輩。
幸せって、こういう事を言うんだなぁ。
「いでっ」
「にやにやしてばっかりいないで、ね?」
ああ、はい。続き、しましょうか。


「ここ、まだ痕残ってますね」
「んっ、う」
淡いピンクのワイシャツのボタンを外し、首筋に吸い付く。
数日前の激しい情事を思い出してどきどきしてしまう。
「この前のてんま、すっごかったよ、ねぇ」
「言わないでください、よ」
少しは大人しくして下さい、という気持ちを込めて柔らかい唇に触れるだけのキス。
「てん、まぁ」
それだけで腰砕けになった先輩は、俺に身を任せた。
ふわり、と香る先輩のいい香り。
「先輩、今日は優しく、しますから」


ローションで解したそこに、自身を宛がう。
先輩の熱っぽい視線が、また俺のものを膨張させる。
「あ、うっ」
「せん、ぱい」
ぐちゅり、と大きな音をさせて挿入。とろとろになった先輩のなかが気持ち良くて自然と腰を揺らしてしまう。
「てんま、あ、俺の、なか、きもち、い?」
「はい、気持ち良過ぎて、俺」
深く繋がりたくて、先輩に覆い被さり、揺さぶった。
「やっぱ、無理、ですっ」
「てんま、ぁ、やさしくするって、言ったのにぃ」
先輩は俺の腕にしがみ付くと甲高い声で喘ぎ、俺の名前を何度も呼んだ。
「あ、ぁ、良いよ、ぉ、てんま、っ」
きゅうきゅうと先輩のそこは俺のものに絡みついて、女の人のそれみたいだ、なんてしたこともないのにそう錯覚させる。
「先輩、すき、ですっ」
「あ、う、おれも、すきだよ、っ」
汗で張り付いた前髪を除けてやると、ふにゃり、と微笑む先輩。
"可愛い、好きだ"俺の頭の中ではそればっかりぐるぐる回ってて、また口に出してしまうんだ。
「先輩は、世界一可愛い」
細い腰を支え、最奥まで突き上げる。先輩は涙をこぼし、シーツをぐしゃりと握りしめた。
びくびくと小さな体を震わせて、俺を受け入れる健気な姿にまた興奮する。
「ひあ、あっ!」
「好きです、先輩」
先輩の目尻に溜まった涙をぺろりと舐め、またがつがつと揺さぶる。
「あ、や、だぁ、も、おれ、いっちゃ、う」
「いって、ください」
「いっちゃ、う!」


「俺、世界一可愛い?」
「う、うう…」
朝一から茶化される俺、どうなの。
あんなに激しくしたっていうのに元気な先輩に朝から色んな意味でいじられ、大変です。



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