久しぶり

「俺が来ちゃって良かったの?」
先輩はベッドに寝転がり、おもむろに雑誌のページを開いては、たいして読まずに捲っていく。
いつもなら信助や狩屋と遊ぶ事が多いから、先輩なりに気を使ってくれたのだろう。
今日は予定もなかったし、というか、先輩と一緒にいたいだけの一心で、うちに誘ったんだ。
「良いも何も、大歓迎っていうか、俺、今凄い嬉しいです」
ベッドに腰掛けて、先輩の髪の毛を指に絡めてみる。
先輩は振り向いて、俺も嬉しい、って笑って言ってくれた。
俺はその笑顔にどきり、としてしまう。先輩の笑った顔、可愛くてしょうがない。
未だにどきどきして、照れくさくなってしまう。頭を掻いて、視線を外したけど、先輩は
それを見逃さない。
ぐいっと手首を引かれて、ベッドに誘われ、そのまま先輩に覆い被さる形になってしまった。
「先、輩」
「ちゅー、して」
甘えた声で、おねだり。部活中には見せない表情、声、仕草。ふたりきりの時だけの先輩。
どんどんと近付く距離、見つめ合って、そのまま口付ける。
先輩の柔らかい唇。分け入って舌を絡ませて、唾液を交換する。
どっちのか解らなくなったものが、先輩の小さな口の端から垂れた。
「ん、ふぁ、あ、てん、ま」
先輩は腕を俺の首にまわして、足りないって顔してる。うるんだ瞳。濡れた唇。
どきどき、と心臓がうるさくなって、また貪るように先輩の唇に吸い付いた。
ピンク色の髪の毛を撫でて、何度も歯列をなぞる。先輩の脚が、俺の腰に絡みついてきた。
「天馬、して」
切羽詰った声。息を荒げ、俺の頬をゆっくりと撫でた。
「先輩、可愛い」
ワイシャツのボタンを外すと、恥ずかしそうに視線を逸らす先輩。
真っ白い肌、数日前につけた痕がまだ残っていて、またどきり。
首筋に顔をうずめて、べろりと舐めると、先輩はびくり、と体を震わせた。
「は、う、汗臭いからっ、だめ」
シャンプーの香りと、汗のにおい。この香りに、俺は興奮するんだ。
「良い香り、です」
そのまま首筋に吸い付いて、痕を残していく。所々に、赤く残るそれが綺麗で、指でたどっては舐める。その繰り返し。
「あ、う、てんま、だ、め」
先輩は俺を押し返そうとするけど、全然力が入ってない。二つの飾りを弄り、捏ね繰ると身を捩じらせて涙を溢した。
「せん、ぱい」
「は、やく」
先輩はひくひくと嗚咽を漏らし、シーツを握り締める。潤んだ瞳が、俺を捉えて離さない。目尻に溜まっていた涙があふれかえって、こめかみを伝っていった。


「はいって、く、る」
「ああ、先輩のなか、すごい、きつい」
細い腰を支えて、先輩のなかに進入していく。ぎゅうぎゅうと締まったそこに圧迫され、浅いところで一時停止。
久しぶりだからか。先輩は眉間に皺を寄せ、苦しそう。汗で張り付いた前髪をずらして、至る所に口付ける。
「痛かったら、言ってください」
「うん、だい、じょうぶ、だからぁ、てんまの好きなように、して」
なんて、健気なんだ。可愛らしい。愛しい。
そんな事言われた所為で、俺のものはまた大きくなり、小さなそこを拡げてしまう。
めりめり、と音が鳴りそうな勢い。
ごめん、先輩。でも、俺、止まりそうにない。
「あ、また、てんまの、おっきくなった、ぁ」
先輩は苦しそうにしながらも、俺を受け入れようとしてくれている。
軽く揺さぶり、先輩のいい所を探す。浅く上下させていたら、どんどんと先輩から甘い声が漏れ出す。
「あ、ぁ」
何度も同じところを執拗に突くと、先輩は腰をゆらしてもっと、と強請った。
手を絡ませて、口付けながら揺さぶる。密着する体は熱い。
「せん、ぱい、好きです」
「ん!あ、あ!てんま、てんまぁ」
解れた所で一気に突き上げる。細い体は仰け反って、善がってはまた喘ぎを漏らした。
先輩は頬を赤らめさせては、俺の名を呼んだ。名前を呼ばれる度に俺のものは質量を増していった。
掠れた声で何度も何度も俺を求める。足を絡ませ、深く繋がったそこ。ぐちゅぐちゅと卑猥な音しか漏れてこない。
奥を突き上げて、がつがつと揺さぶる。先輩の細い体は大袈裟な位に揺れて、シーツの皺が増えていった。
「あ、あ、もう、だめ、だめぇ」
首をぶんぶんと振りながら、切羽詰った声で俺に哀願する。
先輩の脚は俺の腰に絡まっている所為で、がっちり固定されてしまう。
そのまま深く繋がった状態で激しく打ち付けた。
「せん、ぱいっ!」
「あ、いく、いっちゃ、う!」
どくん。繋がったふたりの体が跳ねる。
「あ、う、いっぱい、でてるっ」
なかにどくどくと精液を流し込むと、先輩は嬉しそうに俺を見つめて、恍惚の表情。
「せんぱい、好き、です」
「俺も、だいすき、だよ」
ほんと、可愛い。頭を撫でて、頬に口付ける。
先輩はにこりと微笑んで、ゆっくりと瞼を閉じた。



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