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#パルフェにとってのセルの行動は、トランクスとの勝負がついた頃から、全くと言って良い程読めなかった。いや、そもそも完全体となってからのセルは、パルフェの言葉を理解していた時点で、これまでのセルとは異なっていた。これまでのセルとパルフェの関係は、関係と呼べるものを構築出来る程に互いの思考が異なっていたことはなかった。セルの欲求はそのままセルのプログラムの1つであるパルフェの思考の志向であり、パルフェの思考はセルのその本能的な欲求を満たす為の、すなわち完全体になる為に必要な行動様式の決定の為に作動していたのだから。

だが今や、この関係はどうだ。
セルとパルフェは完全に【異】なる思考を持った【他】になっていた。他であるが故に、2人の間には【会話】が成立していた。
こんなことは、パルフェがセルの一部となって以降、一度としてなかった。
セルの自我が一時的に非常に希薄となる卵、そして幼生の時期ですら、セルの本能ともいえる【欲求】を、確かに感じる事ができた。
パルフェの役割は、セルの【欲求】を叶えるに対して最も効果的な助言を与える事。

第一形態の頃は、完全体になる為の障壁となるピッコロを超える力を持つため、人間の生態エネルギーを集めた。
実は生態エネルギーは有機体であれば動植物でも構わなかった。だが、人間の生態エネルギーを選択させたのはパルフェの判断だった。
短期間でもっとも効率的かつ爆発的な戦闘力向上には人間の生態エネルギーが適していた。
第二形態の頃は(時間的にも非常にわずかだったが)目の前に目標がちらつきながらもベジータ親子に阻まれかけたことから、勝負へのこだわりを捨て、何をおいても18号の吸収に執念を傾けるように仕向けたのもパルフェの果たした役割だった。


しかし、いまのセルとパルフェは、違った。



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bkm

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