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有機体の細胞分裂には限界がある。ナメック星人のような肉体の再生能力を持つ異星人の細胞であっても、それは同様だ。
ナメック星人は地球的な学問の分野で分類すると、つくりとしては植物に近い。空気と水と、そして周囲を取り巻く大気から、細胞内で自己に必要なエネルギーを形成する。そして、無性生殖に近い繁殖能力を持った遺伝子構造であることまでも突き止めた。
ゲロは、環境がある限り無尽蔵とも言えるナメック星人の生態構造を、セルのベースに選んだ。
だが、研究過程で入手したフリーザ親子の細胞は、ナメック星人の構造とは相容れない性質を含んでいた。
環境には左右されない。故に宇宙空間での生存も可能とする。だが、エネルギー源は外部に依存し、自己修復能力はない。
寿命は地球人のそれと比較すれば遥かに長いが、ナメック星人ほどの長寿ではなく、また繁殖能力も低い。
だがしかし、かわりにナメック星人では到達し得ないほどの爆発的な強靭なパワーと能力は、サイヤ人の飛躍的な成長細胞と掛け合わせない手はなかった。


天は二物を与えず。

それは、無神論であるゲロが唯一信仰する宗教じみた科学への過信がぶちあたる壁だった。


長寿と繁殖と再生を取るか、強さを取るか。


ゲロの目的は1つ。
究極の人造人。


求める究極は、その手で一切の異論を叩き潰せる、圧倒的な力。

ならば。

捨て去られるべき前者からかろうじて救い出した再生という性質と、強さだけを、セルに与えた。




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