秘宝を求めて 05




(九龍) 九龍成り代わり 主京前提 ヒロイン←皆守前提 ヒロイン+龍麻






確かに私は主京好きだけど。

1番、京一が好きだけど。

でも龍麻だって(京一には負けるけど)大好きなんだよっ!




秘宝を求めて 05







「龍麻さんとイチャイチャし隊の隊長ですっ」


今ここは龍麻の部屋だったりします。

成り代わりして龍麻と関わりあってから龍麻【愛】が上がった私は"隊"を作りましたのです!

その名も《緋勇龍麻とイチャイチャし隊》

その報告がてらに隊の活動をしに龍麻さんの部屋にやってきたんです!

ちなみに隊長はもちろん私で副隊長は(問答無用で)皆守。
現隊員メンバーは(半ば強引に)鎌治と(ノリで)リカちゃんと(強制的に)如月…じゃなかったJADE。
メンバーは常に募集中ですので、入隊希望の方は私まで!


「("イチャイチャし隊"って…九龍はおもしろいなー)
…へぇ、どんな隊なの?」


「龍麻さんと健全にイチャイチャするのが目的です!
今日は報告(という建前)なので一人できましたっ」


健全に!というのが重要です。
あれです、お兄ちゃんに甘えたい妹(弟?)な心境なのです。


「(健全に…って!本当、おもしろいなぁ)
うん、いつでもお兄ちゃんに甘えにおいでー」


「はいっもちろんです!
龍麻お兄ちゃん、大好きー」


すみません、調子にのって抱きつきました。
だって、だって!
龍麻さんて本当に"お兄ちゃん"してるんだもんっ


「よしよし。(京一にばれたら怒られるかな?んーでも、九龍なら平気かな)
…というか、皆守にばれた方がすごそうだな(おもしろいけど)」


龍麻さんに頭撫でてもらえた!
うわ、萌え死ぬっ

…ん?
今、"皆守"って言った?


「どうして甲ちゃん?」


確かに皆守は副隊長だけど…
なんで今出てくるんだろ?

…はっ!
黄皆または皆黄なんて認めないんだからねっ
龍麻には京一しかダメなんだから!


「(…皆守って不憫だなぁ)
ん?いや、珍しく九龍と皆守が一緒にいないなぁと思ってね」


「あー…確かにいつも一緒にいるかも。
甲ちゃんはたぶん、生徒会だよー
あんなんでも一応、副会長だしね」


そういえば、"副"多いよね。
"副"会長に"副"隊長。
…今日から甲ちゃん改め副ちゃんと呼ぼうかな。


「…九龍、やっぱり知ってたんだね。
でも、俺に言っていいの?」


それは甲ちゃんが、"スパイ"ということ?


「うーんだって(元々ゲームのシナリオ知ってるし)、あからさまに怪しいし?」


あれはもう"何かあります"って言ってるようなもんだって!


「…それに、龍麻さんは最初から気付いてたでしょ?」


そう、私は知っていた。
龍麻は気付いてた。


「まあ、ね。」


それも龍麻は理解してるんだろう、な。


「俺は時々、九龍は未来を知ってるんじゃないかと思うよ」


…未来、か。

でも、それは―


「…どう、だろうね?」


確かに私はゲームのシナリオを知っている。
もちろん、結末だって。

でも、ここには私という"異分子"がいる。
それにここにいるみんなはゲームの中にいるキャラクターというプログラムじゃなくて。

みんな、ちゃんと感情があって生きてる。

確かにゲームの大筋と変わらないかもしれない。

でも、異分子である私とちゃんと自分の意思で関わってくれてる。

ただのプログラムだったら異分子というバグに対応できるわけがない。

彼らは確かにこの世界で生きている"人間"なんだ。


なら、未来なんて


「分からないですよ。
だって未来は"未だ来ない"と書くんですよ?
なら分かる訳がない、」


それに、ね。


「未来はいくらだって変えられる、でしょう?
なら例え数多くある未来の一つを知っていたって、そんなの"知らない"と一緒ですよ」


確かにゲームの内容は知っている。
みんなの過去や想いを。
ゲームの、結末を。

過去は変わらないし、想いだってそこにあって。


でも、結末は分からないじゃない。

そりゃあ、さ。
みんな解放されるんだろうと思うよ。
過去とかのいろんな、しがらみから。
そして、ちゃんと自分と向き合って生きていくのだと思う。

それは確かにゲームと変わらないんだろう。

だけど、最後。
最後にどういう気持ちや心境を抱いて、どう想うのか。

それは分からないし、ゲームとは違ってくるのだと思うから。

結局、未来は彼ら自身が切り開いていく他になくて。


それに、さ。
今気付いたんだけどね?


「やっぱり、未来は分からないですよ。
どんな未来になるかなんて誰にも分からない、です」


だって、さ。
だって、ね。

私は剣風帖、大好きで。
もちろん、ゲームもやっていたけどさ。


「…知っている"未来"では龍麻さんと京一、さんは相棒だったけど。
恋人にはならなかったですから」


私は主京好きだから嬉しいけどね!
主京万歳!主京最高!


「たとえば、美里様や小蒔ちゃんとか。
その他もろもろの女性陣たちとは結構、それっぽくなってたりしましたけどねー」


今思えばそもそもシナリオ分岐とかもあった気がする。
仲間になるか仲間にならないかも感情入力によってだったし。

でも(確かにクリスマスイベントはあったはといえ)、そのいくつもの可能性の中から(私の願望ではあったけど)京一と恋人になるなんてものすごく低い可能性の"未来"のはずで。


「…それはない。
桜井には醍醐がいるし、美里は…うん。
(美里だけは絶対ない。いや、他のみんなも京一以外は絶対ないけど。
でも、美里はありえないだろ…)」


でも、この世界では最も可能性が高かった未来なわけで。


「ほら、未来なんて誰にも分からないでしょ?」


それに、ゲームの後の物語なんて分からないしね。


「…まあ、確かにそうかも。
お前という、"イレギュラー"もあるわけだし?」


龍麻は意味ありげに笑う。

…何なんだ、こんちくしょう!かっこいいけどね!


「でも、な九龍。
忘れるなよ、お前も"この世界"で生きてるということを」


…私、も?


「九龍は、さ。
どこか自分は部外者って、…傍観者って考えてるんじゃない?」


だって、私は…


「でもさ、それは違うよ。
九龍は"葉佩九龍"として今生きてるし、この學園を去った後も"葉佩九龍"として生きるんだよ?」


…、考えてなかった。
そうだ、そうだよ。

この世界は"ゲーム"じゃないんだ。


「"どう生きていくのか"、ちゃんと考えないと…だね」


この物語が終わった後も、この世界は続いていく。
…私は、"葉佩九龍"として生きていくんだ。

―これから、も。


「お前なら、できるよ」


まだ時間はある。
この學園を去る、その時までに。

私はちゃんと考えられる、かな?

―ううん、考えなきゃいけないんだ。

みんなが前に進んでくみたいに、私も。


「うん、かんばる…ね」


私もこの世界で生きているのだと、そんな当たり前のことに気づかされた。

にしても、さ。

さすが龍麻さんだよねっ!


…って、イチャイチャできてない!!と気づき、その後存分にイチャイチャし(というか、甘え)ましたとさ。

ちゃんちゃん!





to be continued...?









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