リストラ審神者のカルデア居候記A




(FGO×刀剣乱舞)
男審神者+ぐだ男+マシュ+ロマニ+エミヤ(弓) クロスオーバー






藤丸にスカウトされ、やってきました!雪山
の中の職場に!!
そんな俺の前では、

「それで連れてきちゃったのぉ?!」
「…はい、ごめんなさい。でも、お世話になった先輩だから力になりたくて…」


藤丸がめちゃくちゃ怒られてる…のでした。



リストラ審神者のカルデア居候記A



「もぉ〜…!仕方ないなぁ、連れてきちゃったんだし。それに立香くんがそんなにわがまま言うことないしね、いいよ。」

ため息をつきながらそういったふわふらの長い髪をポニーテルにした白衣を着た男性。…いい歳した男のポニーテール…イケメンにしか許されない…
にしても、朝焼け色というのか黄昏色というのか夕焼け色というのか。あったかくて綺麗な色だなぁ。
…あいつらの中にもこんな髪の色のやつはいなかったな。


「はぁ、こうなってしまったものはしかたない。…君の名前はなんだい?何か得意なことはあるかな?」


あ、目の色は…なんていうんだろ。みどり?若菜色?若苗色?でも綺麗だな…。
あいつらでいうなら、鶯丸や蛍丸、浦島や蜂須賀あたりが近いのかなぁ。…あいつらの方が好みだな!うん!


「…君、聞いてる?」


あ、ちゃんと聞いてなかった…。
こういう時、長谷部とかがそっとフォローしてすれるんだけどなぁ。


「ねぇ、また聞いてない?!名前と得意なこと!!!だよ!!」


わー、ごめん、ごめん。綺麗なお兄さん。
涙目になってる…泣かしてしまった。ほんとごめんって!
えっと、名前だよね。名前、名前ねぇ…?


「あー…と、審神者って呼んでください。前の職場でそう呼ばれてたんで。」


呼ばれてた、っていうか。役職というか。
審神者をあいつらの主を辞めたつもりもないしな!
気軽にサニーとかでもいいよ!主のあーくんとか大将のたーくんとかでも可!


「さに、わ…?うーん、君がそれでいいなら。」


ちょっと考える素振りを見せる綺麗なお兄さん。
審神者について何か知ってるのかな?


「あ、そうだ。まだ名前を名乗ってなかったね。ごめんね。僕の名前はロマニ。ロマニ・アーキマン。ここの医療機関のトップで責任者代理だよ。Dr.ロマンと気軽に呼んでくれ」


わぁ、あだ名まで※ただしイケメンにかぎる、みたいな。
んで、得意なことかぁ。
料理…は基本食べる専門だし、掃除も人並み。コンピューターも基本的なことだけ。戦闘系審神者でもない。防御系とかはちょっと自信あるけど!
そうだなぁ、強いていえば。


「元の職場で書類関係を主にやってたので、そういったことなら」


これでも真面目にやってたんだぜ!政府からの評価もよかった!!
…まぁ、長谷部とか近侍にちょっと手伝ってもらったりもしてたけど。


「うーん、じゃあ、書類関係を中心に雑用をお願いすることになるけどいいかな?」


つっこまれたらやだな!って言わなかったけど、結界とか癒しとか回復とかは得意だよ!
あとお札もいける。簡単な術もつかえるけど、あんまり強力なのとかは無理かなぁ。
審神者、真面目にがんばってた。
あ、目!目もいいよ!勘もいいよ!!よく褒められてた!!!


「はい、もちろんです。置いてもらえるだけでありがたいです。穀潰しって言われないようにがんばります!よろしくお願いします」


って、綺麗な…じゃない、ロマニさん?それともドクター?ロマン?まぁ、気軽に呼んでくれって言ってたし…ロマンさん…なんか変だな…ロマンでいっか。
ロマン何か疲れてるなぁ。よし、お世話になる身もしてお近ずきの印に癒してあげよう!でも、ばれないように、ちょこっとな!

うん、こちらこそよろしく、と手をさしだしてくれたロマンの手を握り少しばかりの力を発揮する。
実はこの力使うの嫌いじゃないんだよな。ほんの少し疲れをとって癒すだけだけど。


「知ってますか?Dr.ロマン。
手当ての語源て元々患部に手を当てて治療してたことからなんだそうですよ。実際に治癒力が高まるらしいですし」


突然そんな話をする俺を不思議そうに見つめるロマン。…綺麗な人に見つめられるって男女問わず役得だよなぁ。
まぁ、さ、だからつまりな?


「ちょっと疲れてるときは誰かに手を握ってもらったりするとそれだけで、ちょっと違いますよ?
ロマンがよかったら、そういう時は声をかけてくださいね」


力を使ってなくたって、実際にほっとするもんだよ。
俺もよくあいつらに手を握ってもらったり、頭を撫でてもらったり、背中をさすってもらったりしたよ。
してやったこともたくさんあるけどな!


「…!ありがとう、その時はお願いしようかな。そうだね、君の言う通り少し楽になった気がするよ。
今日は疲れただろうから詳しい説明は明日しよう。その時にスタッフのみんなへの紹介もするね。
このあとは立香くんに簡単に案内をしてもらったらいいんじゃないかな。」


優しく微笑んでそう言ってくれた。その優しく甘い微笑みはまるで光忠のよう。…みっちゃんの笑顔の方が好みだな、俺は!
にしてもそうですね、ここにくるだけでひと苦労でした。雪山って聞いてたけど、ぶっちゃけなめてました。大げさにいってるんだろ!って。なめちゃいかんぜよ…
そして藤丸や藤丸の後輩ちゃんがドクター!俺にも私にも言ってください!!ときゃっきゃっしてる。
いや、結構必死に言ってるが。仲いいなぁ。うん、かわいい。
あ、藤丸の後輩の眼鏡のかわいい子はマシュちゃんというらしいです。ここに来る途中に自己紹介してもらった。マシュ・キリエライトちゃん。キリエちゃん。って呼びたいけど、混乱させちゃうかな…


「はは、ふたりともありがとう。
僕はこれからまだやることあるから、審神者くんをよろしくね」

「はい!まかせて、ドクター!」


なんだろ、親鳥とその雛を見てるかのようだ。
親犬と子犬とかでもいいけど。


「えっと、俺も審神者さんって呼んだ方がいいですか?先輩」
「あー…そうだな、先輩がゲシュタルト崩壊しそうだから審神者とか気軽にサニーとか呼んでくれ」
「…さにー?えっと、じゃあ、審神者先輩で!」


先輩は先輩だから〜、と眩しい笑顔でいう藤丸。くっ…かわいいな、このやろう。
高校の時は毎日に必死でそう思う余裕やゆとりなんてなかったけど、あの時からこうやって交流をもててたらよかったな。もったいないことしてたなぁ。







ふたりが施設内の設備について説明、案内してくれた。
んで、最後はここ、食堂ってわけだ。
美味しそうな匂いがする。けど、やっぱり光忠の料理には叶うまい。歌仙とかも得意だよなぁ。薬研はザ!男料理。意外にも倶利伽羅も器用にそつなくこなす。
一番意外だったのは堀川が料理苦手で兼定のが得意なことか。



「今日は確かエミヤだったかな!エミヤの料理、すごく美味しいんですよ!!!」


にこにこしながらそういう藤丸。
…静かなイメージあったけど、こういうやつだったんだな。もっといろいろ話せばよかった。


「先輩!今日は肉じゃがだと言ってました!」


これまた嬉しそうに報告するキリエちゃん。かわいいなぁ。
ここでは有志のメンバーが料理に参加してくれてるらしい。一応スタッフもいるらしいが。
ふたりにうながされるまま、席につく。料理を持ってきてくれるらしい。…甲斐甲斐しい。いや、俺、たぶんここでは役立たずだからお構いなく…


審神者先輩!美味しいから食べてください!と満面の笑み×2で差しだされたお膳には
ほかほかのごはんにおみそ汁、漬け物に玉子焼きにメインの肉じゃが…うわ、めっちゃおいしそう。はらへる。
いや、でも、うちの子には勝てますまい…そう思いひと口、口に運ぶ。
んん!!!これは…


「めちゃくちゃおいしい…」


けど、決して!負けてはいない!!!!!
思わず、おいしいと口にでた俺をみて藤丸とキリエちゃんは自分が褒められたかのように喜んでた。
ね!おいしいでしょ!!ときらきらの笑顔で。
んん"…かわいくて変な声でる…


「それは光栄だな。作ったかいがある。
…君は見ない顔だな。それにしてもマスターがよく懐いている」


…!?いきなり気配もなく現れた、この褐色のイケメンは誰だ?!って…人じゃない…???
藤丸のことをマスターって呼んでるってことは、藤丸は主?審神者と刀剣男士みたいな?
…こんのすけが前に審神者や刀剣男士と似て非なる存在が多数あるが、相容れない云々かんぬんいってたなぁ。その時に教えられたものの中のひとつだったり…?
それにしても、なんかそこら中にうっすら気配がたくさん紛れてるし、姿もぼんやり見えてるような。
見ようとすれば見えそうだけど。そいつら全部、藤丸の使い魔?
うわー…もしかして、俺ってとんでもないとこいるわけ?


「エミヤ!今日もご飯おいしいよ、ありがとう!
この人は俺が高校の時にお世話になった先輩。審神者さんだよ。いろいろあって明日からカルデアで働いてくれるんだ」


あ、この茶褐色のイケメンはエミヤさんというのか。そういえば藤丸が今日の料理はエミヤさんって言ってたし、エミヤさんも作ったかいがある、とか言ってたな。
イケメンな上に料理上手とか…モテないわけがない。世話焼きそうだしなぁ。
また光忠とは違ったタイプの面倒見がいいやつ、って感じか。ちょっと倶利伽羅を彷彿とさせるけど。
…料理上手かぁ。あいつらもはじめは失敗したりしてた。最近でも新しい料理に挑戦して失敗したり。普段料理しないやつもたまに挑戦しては失敗することもあったな。
そういう時、はじめは何も言わずに全部捨ててたみたいだけど、それが俺にばれて怒って以来、ひと口は必ず俺のとこにもってきてくれるようになったけ。
しょっぱかったり、甘すぎたり、辛かったり、苦かったり。でも、それも楽しい思い出だし幸せの味がしたなぁ。


「審神者先輩?」


黙り込んだ俺を心配してくれたらしい。
はぁ、いかんいかん。つい感傷的になってしまった…。
たった2週間と少し会えてないだけなのにな。


「いや、悪い。俺の元の職場も有志の料理上手なやつらがメインで作ってくれててさ。俺や他のやつらも手伝ったりはしてたけど。その時のこと思い出してた」


しんみりさせちゃったかなぁ。
ちょっと反省していると、がしぃって音が聞こえるような勢いで藤丸とキリエちゃんが俺の手を握ってきた。役得かよ。


「審神者先輩…!!!ここも、カルデアもすっごく賑やかだから!!寂しいって思う暇なんてないほどだから…!!!明日はスタッフさんに紹介だし、英霊のみんなにもいっぺんは無理だけど、少しずつ紹介していくから…!!!」
「そうです…!!みんないい人たちですよ!!はじめは慣れなくて大変かもしれませんけど、私たちが全力でフォローサポートします…!!!」


うわ、変な気を使わせちゃったなぁ。
うん、でも嬉しいなぁ。ふたりとも優しい。あったかいな。
そう思ってると頭部にあったかい温もりが。…頭撫でられてる?


「マスターたちの言う通りだな。ここは少々うるさいくらいに賑やかだ。退屈なんてしているひまはないさ。
…前の職場はとてもいいところみたいだが、ここも悪くは無いさ」


イケメンの優しいほほ笑みと頭なでなでにノックアウト寸前です。…小狐丸の毛並みととのえたぁい。
そういえば、思いのほか、大包平の頭なでる手つき優しかったなぁ。そして意外に長谷部はぎこちなかった。薬研は豪快だったなぁ。みんな違ってみんないい…!


「…ああ、みんなありがとう。」


まだここの人たちと全然会ってないけど、会う人みんな優しくてやってけそう!その優しさが心地いい。
…ここの優しい人たちに俺の自慢の刀剣男士たちを紹介できる日がくればいいのになぁ。

…諦めてなんかないからな…!!!!







ぼふっ、勢いよくベッドへ倒れ込む。
あの食事のあとに、俺の部屋を用意してくれていたらしいロマンに案内され自室に。
なんと部屋にはトイレやシャワールームもあるんだぜ…!!しかもトイレ、とお風呂はちゃんと別…!!!
ちゃんと廊下にトイレもあるのにね。ちょっと高級なビジネスホテルって感じ。
大浴場も案内してもらってる時に簡単に説明してもらったんだけど、そっちはまたの機会にして自室で簡単に汗を流した。いやだって、紹介もたいしてされてない中遭遇とか気まずい。
そしてびっくりすることに、大浴場が4ついや5つ?ありました。
男湯、女湯、中性?湯、混浴、あと動物用なのかな、がありました。馬とかいれるらしいよ。…湯船はいるの?たぶん、飼い主?がペットを洗ってあげるところなんだな、うん。
あと、大浴場の入り口にはなんかセキュリティがあって、入る人物を識別してるらしい。よからぬやからは警報がなるらしいよ。…こわいね。よからぬことを起こすつもりはさらさらないけど。
俺が普段から使いそうなところを中心に案内してもらったから、他にもいろいろ設備あるんだろうな。迷子にならないようにしなければ。

にしても。

「そんなつもりなかったけど、気を張ってたのかな。ちょっと疲れた…」


いや、雪山にくるってだけで疲労ものだけど、さ!
うつ伏せになってた姿勢を仰向けにする。
おお、ベッドはちょうど良い感じにふかふか。柔らかすぎず硬すぎず。ここは天国です…


「まだ1日だけど情報量多すぎだろ…」


藤丸の手の甲にあった赤い紋様。あんなの高校ときはなかった。
エミヤさんという人間じゃない存在。エミヤさんだけじゃない、他にも気配を感じた。
藤丸が英霊、とか言ってたな。英霊…普通に考えば死者の霊への美称だ。それだけじゃないんだろうな。きっと英霊ってエミヤさんたちみたいな人のことだろうな。英霊…どこかで聞いたことあるような。こんのすけかな。…審神者に関係なさそうなことは聞き流し気味だったからぁ…もっとちゃんと聞いとけばよかった。ごめんな、こんのすけ。…こんのすけ、元気かなぁ。こんのすけだけでも現世に連れてくればよかった。でもこんのすけにもサプライズしたかったんだよなぁ。
それと、キリエちゃん。人間だと思うんだけど、それだけじゃない気配がした。エミヤさんみたいな気配がが。英霊とやらと人間の複合型、みたいな。
藤丸は完全な人間だ。うん。でもなんかちょっと俺らよりになってる気がする。一般人じゃない的な。英霊のマスター?だっけ、主だからかな。
あとあと、初めにあった綺麗なお兄さん。ロマンもちょっと違和感。なんかありそうだよなぁ。気配は人間なんだけど。魂の質というのかな、綺麗すぎる。
一般的な綺麗さじゃない。純粋とか純真とか善人とかそういった質の綺麗さじゃない。藤丸やキリエちゃんの魂だって綺麗だ。でも、そうじゃない。圧倒的で恐怖や神々しさを感じるような綺麗さ…ちょっとみんなに似てる。危ういなぁ。


「はぁ、」


ごろん、ぼふっ、今度は横をむく。落ち着かない子かな、俺は。こう、犬や猫が寝床を寝やすいように動いたり整えたりするみたいな。


「…みんなに会いたい」


今日会った人たちはいい人たちばっかりだったけど。
きっと俺は異質な存在だろうし。分からないことだらけだし。

目を閉じて集中すればかすかに感じる、俺の刀剣男士たちとの繋がり。パス。
これが分かるうちは、俺は変わらずあいつらの主だ。
くじける必要なんてない。俺は俺にできることをすればいい。
あいつらだって寂しがってる。……あいつら、大丈夫かな。暴れてないよな?………大丈夫だよな、うん!


今日はなんだかんだ疲れたし、もう寝よう。
また明日がんばるよ…!









☆おまけ



「うーん、さにわ、サニワ、審神者…」

「おや、ロマニ。何をうなっているんだい?」

「ああ、ダ・ヴィンチちゃん。いや、今日きた立香くんの先輩の審神者くんなんだけど。なんか引っかかるなぁって。」

「ふーん?ロマニがそういうのなら何からあるのかもね。私はまったく分からないが」

「さにわ、どこかで聞いた気がする…」

「まぁ、気にとどめておくことにこしたことはないかもしれないけど、立香くんの見る目は確かだ。気にしすぎることはないんじゃない?私という天才だっているしさ!」

「そう、…そうだね。まぁ、悪い予感はしないから。いい子そうだったし。」



(そういえば、審神者くんと握手をした時から、本当に疲れが取れた気がする…。手当からくる錯覚…?いや、でも、本当に…)



ロマニがうなってたころ、審神者はベッドで熟睡だよ!













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