若葉日和




(刀剣乱舞) 女審神者と初期刀



社会人になってうん数年。そろそろ片手じゃ足りなくなる社畜生活。

別にものっすごくブラックという訳ではなく、人間関係もまぁおおむね良好とも言えなくない。
ただ年数を重ねるごとに増してくる責任や期待、そして増してく仕事量。
しかも断れない性格でなおかつ、ついついいい子ちゃんぶってしまうことが災いしてか、体よく押しつけられることとしばしば。
そして仕事人間でも大好きでもないのに、日本人の人種性ともいえなくない根っこにある社畜根性のせいなのかお休み返上も少なくない。

そんな社会人生活に疲れが差すのは何も私だけではあるまい。


私生活だってまぁ良好と言えなくもない。
家族仲だって悪くはないはずだ。仲のいい一生の友達って言えるだろう友達だって多くはないがいる。
恋愛に関してはからっきしだけど。そろそろ焦る年齢だけども。
あまり公言できない趣味にのめり込んでる節は大いにあるけど幸せである。
そう!だから、恋人がいなくたって悲しくないのである…!いなくたって……ああ、うそ、できればほしいです。諦めははいりつつあるけど。


そう。大きな不満はないが、不安がないわけでもなく。
甘いと言われるのは百も承知だけど、いろいろ疲れちゃうのも事実なのです。

だから友達とあったときのちょっとしたお約束の会話のように、仕事やめたい、だとか、ニートになりたい、だとか、学生の頃にもどりたい、だとか、お金が沸いて出てこないだろうか、だとか、次元をこえたい、だとか、宝くじ買いもしないのに当たらないかなぁ、だとかetc.
そうやって現実逃避してしまうのは何も私だけじゃないはず…!
なれることからポケ○ントレーナーになりたい…!というのは永遠の夢ではないだろうか。

そんなときにかけられた甘い誘い。
甘い誘いには気をつけろ!罠である!というのはまぁ、分かってはいたのだけど。
ちょっとした都市伝説として有名な審神者のお誘いがきまして。お給料も今よりも断然よくて。保証も手当もしっかりとしている。なんたってお国である。
しかも帰宅や外出だって厳しい制限もないとのことで。なんなら人によっては通いの人もいるとか。
イケメン男士に囲まれ慕われての生活とかどこの2次元。
そんなん、軽い気持ちでOKしてしまうのなんて仕方ないことのはず…!!!!


そんなどこにでもいるような平凡な、ちょっぴりダメ人間である私の若葉マークな審神者生活、のんびり開幕です。








「さあさあ、審神者さま、この5本の中からひとつをお選びください!
どの刀剣さまを選びましても大きな違いはありませんし、今お選びいただかなかった刀剣さまたちも比較的早くに本丸にお迎えすることができると思いますので、深くお考えにならずにお選びください!!」
さあさあ!!!!

と面妖な模様?をしたきつね?(管狐らしい?)がまくし立てる。
まず、模様もさるこのながら話すとか。突っ込みどころ満載か。
そもそも神様を扱き使うことからといえばそうだけど。全員美男士とかね。
まあね、それを目当てのひとつにして受けたのは事実ですけどね!!!!

ちなみに、狐は審神者の数だけいて1審神者1狐らしく、狐の名前は全個体?共通でこんのすけとか。
まるで電子の歌姫のようだね。
全個体名前共通で〜みたいなのは当たり前だけど刀剣男士さまたちも一緒だしある程度の性格とかももちろん共通はしているんだけど、やっぱり個体差みたいなのはあるみたい。主に性格とか器用不器用とかで戦闘に対するステータス?の違いはないみたいだけど。
個体差とか…携帯怪獣か。
というかなんというか。聞けば聞くほどゲームのよう。
でもでも!相手は神様!雇い主は政府!お国!そこら辺は肝に命じよう…


「えー、と。そうですね…じゃあ、この刀剣様にしようかな…じゃない、します。」


どの刀剣も綺麗だしかっこいいけど。
1番はじめから一緒にってお願いしたいなぁって、本当に恐れ多いけど選ばせてもらうとしたらこの子かなって。
まあ、ぶっちゃけ、詳しいこと分からないから、ただの直感でしかないけれど!!!!
どの刀剣を選んでも大丈夫って言ってたし…!

ところで。選んだあとはどうすればいいの。

「分かりました!その刀剣さまですね!
では、刀剣さまを手にとり力をこめてください!」

雑だね?!
力をこめてって言われてもだね…?
うーん、願えばいいのかな…?願うっていってもな……?

(どうか、かみさま。私に力を貸してください)

とか、かな?無難な感じに。
うーん。でも、そうだな。もし私の神様になってくれるあなたにお願いをしていいのなら。

これから一緒にいれくれる、がんばってくれる神様。神様たち。

どうか、私と


(仲良くしてください。優しくしてください。)


(笑顔でいてください。)


私の元にきてくれたことを、後悔してほしくないです。
人の都合に振り回してしまうけど。
あなたたちへ返せるものを何も持たない私だけど。
私自身、よく分かってなかったりするんだけど。

精一杯がんばっていくから。一緒にがんばってください。力を貸してください。


でも、やっぱり。せっかく人の身を持つのだから。


(できる範囲で許される限り、楽しんでください!
ね!)

そして、もっと欲を言うなら。
一緒に暮らしていくのだから。一緒に楽しんで笑い合えるような、そんな関係を希望します!!!


そんなことを、願っていると持っていた刀があたたかく光り、そっと手からはなれて浮いている。…浮いている!?
え、ちょ、心霊現象ですか?!いや、この場合、神霊現象のが正しいの…?!

内心パニックになっていると刀が人の形をとりはじめたーーーっ?!って、もっとパニックになるわ!!!

「あー。川の下の子です。加州清光。扱いづらいけど、性能はいい感じってね。」

わー、わー!美青年!
かっこいい!!きれい!!かわいい!!!
そして美声!!!!!!

「これからよろしくね?主」

「え、あ、はい!よろしくお願いします!!加州、清光…さま?えっと、私の名前はっ――うぐっ」

「ちょっとまったー?!?」「だ、だめですよ!!!!!!」

加州清光様とこんのすけにめっちゃ止められた。めっちゃさえぎられた。
なんなら加州清光様に口を手でふさがれた。すぐにはなされたけど…!
はっ、てか口紅ついてたりしない…?大丈夫??無礼にあたったりしない…?

「ねえ、主、名前は教えちゃダメって教わらなかったの…?
別に名前を知られたからといって必ずしもどうとかなるってわけじゃないけど。名は心を示すから。どうにかなりやすくはなっちゃうんだよ。最悪、神隠しとか立場逆転とかも考えられなくないし。
だから、俺たちに名前は教えちゃダメだよ?」

まじっすか?!やばかった…
そんなこと言われてたっけ?うーん、教わった気もするけど。

「そうですよ!!審神者さま!!
ちゃんと指導もされ、マニュアルにも記載されていますよ?!」

マニュアル…流し読みした気がする…。
まぁ、でも、未遂だし!次から気をつければいいよね!
それにしても。

「これから一緒にがんばっていく私の神様があなた様みたいな優しい神様で本当によかったです!」

だって、そのまま何も言わずに知らん顔してたら、私の名前聞けたわけじゃん?!
そうしたら自分にとって利点しかないだろうに…。
しかも!!私なんかの口を手でふさいでまで、私のためになんて。あ、今、掌みえたけど、口紅ついてない。よかった…!

「…ねぇ、さっきから気になってたんだけど。様なんていらないよ?加州でも清光でも好きに呼んでよ。あと、それが主の癖なら仕方ないけど、敬語とかもいいから。話しやすいように、普通に話して。
主は主なんだから。それに、俺はそっちのが嬉しいし、ね?」

え、あ、そうか…一応、私が主ってことなわけだから、立場は上になるの…かな?いや、でも相手は神様。そこは忘れずに肝に命じてわきまえる必要はあるよね…!
でも、これから一緒に過ごすんだし。なんなら暮らすんだもんね。その方がありがたいかなぁ、お言葉に甘えよう!それにその方が仲よくできそうだし…!
…この考えってすでに危ない??

「そう、?なら、お言葉に甘えさせて…いいか、な。
えっと、あらためまして。加州くん、私が加州くんの審神者だよ。これからよろしくね?」

あなたの審神者です!って、どうなんだろう。いや、でもあなたの主です、なんてとてもじゃないけど、言う勇気はないです…!
そのうち、言えるだけの自信や誇りができるのかなかなぁ。こんな情けない審神者でごめんね……!

「うん!主、よろしくね。俺、がんばるから。可愛くするから、愛してね?」

うん?もう充分すぎるくらい、綺麗だし可愛いよ??その可愛さ分けて???って感じだよ??

「では!審神者さまの本丸に行きましょう!!」

しびれを切らしたのか、食い気味でいうこんのすけ。というか、また私がやらかさないか心配なのかな…?
それか時間が押してるか。一応、チュートリアルみたいなのあるみたいだし。この場合、オリエンテーションのがただしいのかな…?

若葉マークな審神者、ようやく本丸に着任です!

このあとにおこるできごとを私はまだ知らない。
このままこんな感じにのほほんと進んでいくのかなって。それが、あんなことが起きるなて…。
それが仕事だとか、必要なことだとか、仕方ないだとか、だとしも!!!!おのれ、こんのすけ。あのできごとは決して許さない。許さないからね!!!!!!



to be continued...?









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