(鬼祓師) 主+鍵 主京風味









―すごい、と思った


ただ単純に、すごいと思ったあまりにも圧倒されすぎて、そう思うことしかできなかったんだ








「鍵さーん!」


放課後、探索をする時間までいろんな所へ散策をしに行く

―いろんな人に会いに、会話をしに


「おや、千さん。もうお帰りで?」


「ううん、これから洞の探索!
今は自由時間なんだ」


「それはそれは、」


そして今日もいつものように―帰る家でもある、鴉羽神社に来た
鍵さんや鈴ちゃん、清司郎さんに会いに

…とは言っても、鈴ちゃんと清司郎は留守みたいだけど
鈴ちゃんは白にでも連れ回されてるのかな?


「ところで千さん、何かおありで?
…とても何かを言いたそうにしてらっしゃる」


鍵さんにそう言われて思い出す
そうだ、すごいと思ったんだ

―この思いを誰かに伝えたかったんだ


「あのね!俺、すごい人をみたんだよっ」


「すごい、ですかい?」


「そう!―すごい、気を纏ってる人を視たんだ」


そう、すごい気を


「初めに視た人は黄金に輝く神々しい気を纏った人だったんだ。
あまりにも神々しくて畏怖を感じる程の」


綺麗で美しかったけど、どこか冷たく畏れを感じた
洞で視る、龍脈のようなそれ
でもそれは龍脈よりも、とても確かなものに視えた


「次に視たのが強烈な陽の気を纏った人。とても温かくて太陽みたいな気だった」


その太陽みたいな気の人を見るなり、神々しい気を纏う人の気が少し優しくなったんだ
冷たさが温かさに変わった
まるで、愛しい人を見つけたかのように


「―すごいって、思ったんだ」


個人単体での気もすごかったけど、2人になるとなおさら

すごく、綺麗で美しくて…神々しかったんだ

そこにあった畏怖―畏れはなくて、あるのは何とも言えない感動


「…それは、すごいものを視ましたね」


「うん、本当に…すごかった!」


神々しい気の人はもちろんだけど、でも太陽のような気の人が


「…また視れるかな」


神々しく冷たい気を温かく変えてしまった、あの人が


「…今度は会って、お話してみたいな」


とてもすごい人だと思ったんだ


「会えますよ、きっと」


「だといいなぁ」


そう言って、鍵さんと顔を見合わせて笑った

















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