触れた指先
(剣風帖) 主京
普段の姿では考えられないほど静かに眠る京一に、恐る恐ると手を伸ばし触れる。
まるで、壊れ物を扱うかのように。
「…京一、」
触れた指先に、熱が集まっていくのを感じた。
お前に触れるだけで、俺は溶けてしまいそうなほどに熱くなる。
その感覚に、触れていた手を遠ざけてしまう。
もっと触れたいのに、怖くて触れられない。
壊してしまいそうで、怖いんだ。
―ああ、どうしようもなく
「…お前が愛しいよ、京一」
触れた指先
お前への想いが溢れ出す
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