憧れの人




(花帰葬) 花白+玄人




ふと、思ったんだ
僕の憧れはアイツなんじゃないかって










「ねぇ、玄冬って黒鷹に憧れてたりしたの?」


もしかしたらって、何となく聞いてみたんだけど


「そんなわけがあるか。
あれは世話がかかる父親だ。
…お前は白梟に憧れてたのか?」


やっぱり、違うらしい
だよねー、黒鷹になんて憧れないよね
…でも、大切な家族なんだ?

玄冬は僕に聞き返す


「まさか!
確かに、白梟の事は好きだったし…あの人のためにがんばっていたけど」


白梟に喜んでほしくて、誉めてほしくて
それで僕はがんばっていたけど

でも、でもね


「憧れ、とは違うよ。
玄冬と一緒だよ、あの人は僕にとっての唯一の家族だったから」


僕を育ててくれた白梟は僕にとっての親だったんだ


「僕が憧れてた、のはさ。
たぶん、アイツなんだ。」


認めたくはない、けど

でも、


「銀朱なんだよね、きっと。」


アイツ、なんだ


「あの隊長、か?」


「そう、アイツ。
認めたくなんてないけどねー。
やっぱり、アイツってすごいんだよね」


すごく、すごく努力して
努力した今もまた努力し続ける
少し馬鹿正直すぎて真っ直ぐすぎるけど
それを当たり前にこなすアイツはやっぱりすごいんだ


「そうか、」


玄冬はそれだけ言って僕の頭を撫でた


ねえ、玄冬
きっと玄冬も僕にとっての憧れの人だよ

優しくて、強くて温かい
他人をとても大切に思う事ができる
器用だけど、でも実はとても不器用な君が


君達が僕にとっての憧れの人なんだ














認めたくないアイツと、傍にいたいと思う君










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