@女らしさがあふれる。女性が色っぽく見える。なまめかしく見える。
A若々しい様子をしている。みずみずしい様子をしている。
B上品である。優雅に見える。
C物静かで落ち着いた趣がある。
「で、ここは〜」
静まった教室になまめかしい女性の声が響く。教室には数人の生徒しかいなく、そこに俺もいた。彼女は名前というらしく、この米駒学園の卒業生であり、現在は大学に通っているらしい。俺は今回テストで赤点を取ってしまい、この補習を受けているわけだが、名字の言っている言葉がさっぱり分からなく、俺はずっと頭を抱えている。
「ここはこうなるから、皆分かった?」
こくこくと頷く奴もいれば、元気よく「はい!」と答える奴もいる。多分、彼女に大人っぽく見えるのだろう。なんで、そんな風に見えるのか俺にはさっぱり分からねぇー。
「じゃぁ、今日はここまで」
名前の一声で、皆一斉に鞄を持ち教室を出る。俺もベイの練習しようっと。鞄を持ち帰ろうとすれば、肩を掴まれる。誰かと思えば、にっこりと笑う名前がいて「アイガ君は居残りね」と言われた。
「で、私の説明のどこが分からなかったわけ」
「…全部」
「全部!?まったく呆れた…。アイガ君のことは校長から話を聞いていたけど、相当なようね」
名前は溜息を吐きながら俺と対面で座ると、教科書をぱらぱらとめくり始めて、今日教えてくれた箇所をもう一度丁寧に教えてくれる。教えてくれるのはいいけれども、何かつけているのか、いい香りが俺の鼻を擽り、たまに髪を耳にかける仕草をして、手首に付けているブレスレッドがしゃらり。と揺らめいて、俺の集中は途切れ見入ってしまう。
「で、アイガ君」
「はぃぃっ?」
「分かってくれたかな?」
「分からねぇよ!」
「なんで?」
「名前に見入っちまって、それどころじゃないというか」
顔を赤くし言った後に俺の発言に後悔をする。名前は驚いた後、顔を赤くした。
「な、何言って」
「だって、分からねぇのか?」
「っ…何が?」
「さっきからすげぇいい香りするし、しかも妙に色っぽいし」
手首を掴む。年上なのに細い腕にすげー心臓が脈打ってる。俺は無意識に手首にキスをすると、名前は慌てて手を引っ込めた。
「今日は終わりです」
そう言って、ささっと帰る準備をして出て行ってしまう名前。俺、今何してた?無意識の行動に俺は顔を赤くしながらもその場にしゃがみこむのであった。