私の同期達は大概おかしい。
キルアとゴンはあの年齢でハンター試験を合格した天才児だし、あのキメラ=アント事件を解決したのもあの二人だと聞いた。クラピカはあの頃から優秀を絵に描いたような存在で、なんと今ではマフィアのお偉いさんになってしまった。
どういうわけだが、私はみんなととても仲良くさせてもらっていたわけだが、特筆することもない、ごくごく普通のハンターだ。

だから私は非常にショックを受けたのだ。

唯一私と同類、私と同じくパッとしない側の人間だと思っていたレオリオが、なぜかハンター協会の会長に推薦されていることに。
しかも十二支んの人まで殴り飛ばしている(あれ、もしかしてこの人ってゴンのお父さんじゃない?)

結局レオリオが会長になることはなかったけど、それでも、これでレオリオの名前が全ハンターの間に広まったことは間違いない。
やっぱりおかしいよ私の同期。

テレビの前で不貞腐れていた時、机の上に置いてあった電話が鳴った。「よお」と聞こえてくる声は、噂をすればなんとやら、ついこの前までテレビで連日放送されていた同期の声。

「元気してたか?」
「それなりに。そっちは大変そうだね」
「そうだな。なんでこんなことになったか、今だによく分かってねえよ」
「マスかいてる時間もないんじゃない?」

つい意地悪を言ってみれば、それを言うなよ、とレオリオはバツが悪そうに言った。
本題に入るが、とレオリオが切り出す。

「知ってると思うが、ハンター協会は暗黒大陸に乗り出すことになった。そこで、名前にも同席して欲しい。」
「…何で私?」
「こんな状況だからな。一人でも優秀かつ信頼できる仲間が欲しい」

(それは私を信頼してくれてるってこと?)
そう聞くのはあまりにも野暮だ。
私はレオリオが言うほど大したハンターではない。これは謙遜でも卑下でもなく、客観的に見た事実だ。ゴンやキルアみたいな才能も、クラピカみたいな野心も、レオリオみたいに人の心を動かす力もない。
それでも、私の大好きな友達が、私の尊敬してやまない仲間がこうして私を頼ってくれるなら、それに答えないなんて嘘だ。

私には大きなことはできないけど、大好きな仲間を助けられるならそれでいい。

「分かった、行くよ」
「…頼んどいてなんだが、そんな二つ返事でいいのか?安全の保証はねえぞ」
「いいの」

迷いなんて一つもなかった。間髪入れずにそう答えれば、レオリオは「助かる」とだけ言って、それ以上何も言わなかった。

「レオリオ」
「ん?」
「ありがとね」
「なんで名前が礼を言うんだよ」

レオリオの不思議がる声に、私は「なんでもない」と笑いながら返した。
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