novel | ナノ

楽しくて仕方がない。
ごちゃごちゃと余計なことを日頃から考えていて、そのモヤモヤを表に出せない分、好きなこと言えちゃう今がすごく楽しい。普段言えないことがすらすらと口から出てきてみんなが私をもっともっととおだてる。どんなこと言ったって笑ってくれるし何を言われたって笑える。「もう一杯!」と言ってタケシ君から酎ハイの缶を横取りして自分のコップに注ごうとすれば自分の手に冷たいシュワシュワしたのがかかる。その様子をみてカスミとかグリーンが「あーあ」なんて言ってるのも、はははっ、愉快愉快!

こたつあったかいな。このふかふかクッションも気持ちいな。グリーンは一体どこで買ったんだろう。抱き締めて顔を埋めるといい匂い。みんなはこのあとどうするんだろう、あたしは…明日はどうせ何も予定ないし、ここからは家も近いし、








なんてことを考えていたら目覚めた時にはカーテンの間から太陽の光が差し込んできていた。

頭が痛いとか、少し酒臭いかもとか、若干気持ちが悪いとか、今は一体何時なんだろうとか、散らかしたものは片付けなきゃとか、気にすることはいっぱいあるんだけど



「…………」


目が覚めて自分の置かれている状況を知った時点で私の頭はそれ一色に染まってしまった。
ふかふかのベッドの上でふわふわの布団が体にかかっている。そして目の前にはこの部屋の主、グリーンの寝顔。そしてそして、なぜか私の頭にはそいつの手が置かれているんだ。

今の自分の心臓の状態を表すとドキドキしてるなんてもんじゃなくて、バックンバックンと口から飛び出してしまいそうなぐらい。
グリーンの後ろからはすーすー寝息が聞こえている。みんな結局飲んだまま泊まっていったみたい、だけどなんで私だけグリーンのベッドに。こんな展開になるなんて思いもしなかった、と言ったら嘘になる。ちょっとはこんなのを期待してたりもしたんだけど、実際こうもなると頭の中はごちゃごちゃだし、グリーンがどういう流れで、どういうつもりでこうしたのかがわからない。

「ん…」
「!!!!!!!!」

ゆっくりとグリーンの目が開かれて、心臓が跳ね上がる。翡翠色の瞳が目の前に横たわる私を認識すると、グリーンは「おっす」なんてうわごとのように私にむかって呟いた。「お、おはよっす」とぎこちなく返した私を見て細められた目、そして私の髪の毛をするすると撫ではじめた指に心拍数が急上昇。恥ずかしさのあまり体が熱を出した時のように熱くなってきた。


「…気持ち悪くないか?」
「え?あ…うん、大丈夫。」
「そっか」

よかった

そう呟いたグリーンは私の頭をわしゃわしゃと撫でる。なんで、こんなにも今日のグリーンは優しくて、こんなにも至近距離で私の頭を撫でるんだろう。

「グリーン、…酔っぱらってる?」
「は?酔ってねえよ?なんで」
「だってなんか……!!」

なんで?と聞いてきたのはグリーンのくせに、その答えを言おうとした私をグリーンは遮った。髪の毛をぐしゃぐしゃにするように動かされていた手は私の後頭部に回されてぐいっと引き寄せられる。目の前が真っ暗になって近すぎるグリーンの匂いでくらくらする。


「酔っぱらってたのはお前だろうがよ」


私の頭に顎を乗せるようにしたグリーンの声が降ってくる。グリーンに密着した体がわけがわからないくらいに熱くて、さっきまでまだタケシとカスミを起こさないようにと辛うじて脳の隅っこで気遣っていたのに、そんなのを気にする余裕もなくなっていた。


「う、そ…グリーンが酔ってるんだよ」
「俺そんなに飲んでねえよ。」
「そ…ですか……」
「つか、お前飲み過ぎ」
「……すみません」


すっぱりと「飲み過ぎ」と言われてうっすらと昨日のことを思い出す。きっとタケシあたりがベロベロに酔った私のこぼした酎ハイをやれやれと拭いてくれたりしたのかな、なんて考えるとどうしようもない罪悪感が沸いてきた。そんな私を見てなぜかくつくつと笑うグリーンの振動が伝わってくる。静かな笑い声と一緒に出てきた吐息が髪の毛をかすめてくすぐったい。


「………可愛かったけどな、酔ったとこ」



小さめの声で言ったグリーンの手に少し力が込められた。タケシやカスミには悪いけど、申し訳なさは一瞬にして消え去ってしまった。その代わり心地よいどきどきと一緒にふわふわと暖かくやさしい眠気がグリーンの触れる場所から全身に広がっていった。




******


聖火ちゃん!
お待たせしました!グリーン甘ということで、シチュエーションは内輪の新年会みたいな感じにしてしまいました(笑)
グリーンがなぜ同じ布団のなかにいたのかはご想像にお任せします(*^ω^*)←


聖ちゃんのみお持ち帰りおっけーです。リクエストありがとうございました!


*****

びーちゃんの新年フリリク企画で、図々しくもリクエストさせていただいたのですが…こんな素敵な作品いただけてどっきどきです(≧▼≦)

グリーンの所作ひとつひとつが優しくて、思わず赤面してしまいました!びーちゃんのグリーン大人っぽい、というよりもう大人そのもので、なんだか格好よすぎて照れちゃいます…←すみません気持ち悪い人間で

グリーンの優しさにふんわり包まれる感じといい、さすがびーちゃんです。そしてゲスト出演?のタケシとカスミにこっそり喜んでました。4人で新年会なんて夢みたいです!

びーちゃん、本当にありがとうございました\(^O^)/
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