※学パロ
※厨二病ジーノとタッツミー先生
※ただのおふざけです








放課後、夕陽が差し込む廊下を歩いていると前方に一人の男子生徒の姿があった。窓際に立ち、空を見つめているようだ。
「おーい、用無いんなら残ってないで帰れよー」
近付きながら声をかけると、男子生徒はハッとしたようにこちらへ顔を向けたのち、静かに微笑んだ。
「…なんだ、先生か…」
俺が副担任をしている2年6組の吉田という生徒である。
「なんだとはなんだ。先生に向かって」
「ふふ、てっきりアイツらが…」
そこまで言って、しまったというように口を手で押さえる。
「なに?」
いちおう聞いてみるが、吉田は苦笑しながら頭を左右に振った。変にオーバーリアクションな奴だ。
「先生には、関わりのないことだよ…」
今度はなんだか悲しそうな様子。もしかしてコイツ、イジメっ子から逃げてたのだろうか。うーん、イジメ問題となると厄介だ。
「なんか、大丈夫か?困ったことがあるなら話せよ?」
「いえ、大丈夫です。なんでもないんです」
そんなに否定されると、ますます怪しくなってくる。どうしたものかと考えていると、窓の外でギャアギャアとカラスの鳴き声がした。吉田が弾かれたように外を見る。
「先生、僕、急用ができたので帰ります」
「あ?ああ、うん」
俺が返事をする前に吉田は早足で去っていった。すれ違う時に「今日は数が多そうだ…」とか呟くのが聞こえたが意味がわからず、俺はちょっと呆気にとられていた。
職員室に戻り、6組の担任の机で生徒の個人情報がまとめてあるファイルを探していると、同僚の後藤に「どうした」と声をかけられる。
「んー、今さっきウチのクラスの吉田って奴と喋ったんだけど」
「ああ、王子」
「王子?」
ファイルの捜索を中断して顔を上げると、後藤がなんでもない表情のまま答えた。
「6組のルイジ吉田だろ。王子ってあだ名で周りに呼ばれてるんだよ」
「……へええ…」
吉田はなんというか、すごく面倒臭そうな奴だ。










続くかもしれない

20101129


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