企画 | ナノ
Brother Side
12月24日。
世間ではクリスマスイヴと呼ばれている日だ。
そんな日に家でテレビを見る俺と妹。
「今日はどっか出掛けねーの?」
「…後でア●ゾン来る」
悠莉はかったるそうに答えてテレビのチャンネルを変える。
あ、見てたのに。
「兄さんこそ出掛けないの?」
「…用事ねえし」
「ふーん」
そこで会話が途切れる。
代わりにテレビが喋ってくれるから気まずくなることはない。
俺を邪魔者扱いする視線さえなければだけど。
時折感じる悠莉からの視線が痛い。
具体的に言うと、一分に一回は突き刺さる軽蔑の眼差し。
妹が言いたいことは分かってる。
だけど、それなら俺だって同じだ。
((クリスマスくらいどっか行けよ…!))
多分、俺達二人の心の声がハモった。