企画 | ナノ
大阪魂!
「窪田くん、今日は何の日でしょう?」
ボーっとしていた窪田くんに話しかける。
「あ…えっと…祝日ですか?」
ほぼ即答された。しかも私が求めていた答え。
こう答えて欲しかった。
(なのに何だろう、このモヤモヤした気持ちは…!)
「…窪田くん」
「えっと、はい」
「何かユーモア的なものが欲しい!」
自分勝手なのは承知だけど言わずにはいられない。
さっきの二人の後だと、どうしても物足りない。
「あの…悠莉さん」
「ん?」
呼びかけられると同時に、腕に小さな暖かさを感じた。
「なんでやねん…」
そして、そんな消え入りそうな声が聞こえた。
「…窪田くん?」
「悠莉さんがユーモアって言ったんで…」
それでジェスチャー付きツッコミ?
「う、うん。ありがと」
「あ…はい…」
先ほどに続き、私はまた人選を誤ったようだ。
教訓:真面目な子にユーモアを強要しちゃいけません。