企画 | ナノ
余計な一言


『悠莉、どうしたかいな』

「ネルソン監督…」


と通訳の人。


「星野さんと昌珠にいじめられました…」


通訳の人がご丁寧にも訳してくれる。
それを聞いた監督が通訳の人に何かを話す。


「監督が心配してるぞ。大丈夫なのか?」


果たして監督は本当にそう言っているんだろうか。
ちっとも目が心配していない。


「大丈夫じゃないです。お菓子を下さい」

「何だ、そんな事か」

「私には大したことなんです」


通訳の人は呆れながらもちゃんと訳してくれる。
しかしアレだ。


「監督との会話は時間差があっていけませんね」

「文句があるなら自分で勉強しろ」


きちんとツッコミが来る。
監督の話を聞きながら、なんて器用な人だ。


「露雪、こっちに来い」


よく見たら監督に手招きされている。
ボディーランゲージなら世界共通だ。


監督に近寄ると手を伸ばされる。
もしかしてと思って、手で受け皿を作る。


『あげるわな』


手の中に飴玉が4、5個置かれた。
どうしよう、すごく嬉しい。


「有難う御座います、ネルソン監督!」

『気にせんで良い。子どもの面倒を見るのが大人の役割よ』


何かすっごく長い文章を言われた。


「何て言われたんですか?」

「…知らないほうが良い」


通訳さんはそう言って、監督と去って行った。



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