妹変 | ナノ
恋愛注意報


なんとか修羅場を終えて赤崎を家から出す。
鏡花のクールダウンを待つ意味も込めて駅まで送ることにした。


この二人の相性の悪さと言ったら本当にない。
水と油どころじゃない。
火に油だ。


「名前なんでしたっけ」

「…鏡花だよ」


あまりの仲の悪さに紹介してる暇もなかった。
そのくらい凄まじかった。
少し思い出すだけでも疲れる。


「もっと世良さんに懐いてるかと思ったけど」

「別にフツーだろ」

「そうッスね」


もう言う事はないのか黙り込む赤崎。


さっきからコイツは一体何がしたいんだろうか。
妹を散々挑発したかと思えば、名前を聞いたり兄妹仲にケチつけたり。


そもそもコイツどうして家に来たんだっけ。


「何であんな突っ掛かんだよ」


言葉に思わず溜息が混じる。
俺は何でこんなに疲れてるんだ。


二人の仲の悪さを見せつけられただけなのに。


「普通に会話しただけでしょ」

「お前はアレが標準なのか?」

「黒田さんに比べれば可愛いモンですよ」

「…そーかよ」


その言葉に妙に納得してしまう。
いや、絶対おかしいけど。


「そんな気になるなら言っときますけど」


赤崎がいつもの無表情で振り返る。
感情は読み取れないし、先の言葉は予測できない。


だけど嫌な予感がした。




「俺、アイツのこと気に入ったんで」




いつも通り俺の予感は的中する。
鏡花とのお約束のパターンだし耐性もついてる。


だけど立ち止まってしまった。


「この様子なら楽勝そうッスね」


味方のはずの後輩が初めて怖くなった。
何て言うか、敵に回したくない不敵さだった。



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