妹変 | ナノ
兄の心妹知らず
鏡花が俺の手に負えなくなってきた。
だから人に相談してみることにした。
「兄としてどーするべきだと思う?」
「知らないッスよ。妹いないし」
赤崎に一刀両断される。相談する相手間違ったな。
「関わるのやめれば良いじゃないですか」
それが出来れば苦労はしない。
どんな変態であれ、鏡花はたった一人の妹だ。
普通に生きて普通に幸せになってほしい。
それを応援するのが兄としての俺の役割だと思う。
「妹にゲーム借りたりしてんの?」
「してねーよっ!」
こうやって変に勘繰られるのは嫌だけど。
「ただいまー」
家に帰ると、相変わらず居間で寛いでいる鏡花。
今日はゲームじゃなくて電話をしている。
「結局タユ●マって売れてるんですか?」
「でもメディアミックスすごいじゃないですか」
「ゆみなちゃんルートは神ですけどね」
「え? だから私は妹萌えじゃないですって」
相手はあのおじさんだろうか。
俺のことは完全に無視して盛り上がる鏡花。
「アメリのエロ好きですよ。マニアックで」
兄の前でそんな濃い話をする妹に。
普通の幸せとか、やっぱり無理なんだろうか。