portrait | ナノ
3日目
強引に同居生活を取り付けた翌日。
二人で外をのんびりと歩き回っている。
そういや昨日もそうだった。
絵描きって割には手ぶらでうろついてただけだよな。
「なあ」
呼ぶと振り向くふゆの顔立ちはやっぱり幼い。
何歳なのかも知らねーや。
「お前って何歳?」
「二十歳です」
「………」
「………」
「…嘘だろ」
「あの、どうしてそんなに驚くんですか?」
16歳くらいかと思ってた。絶対コイツ童顔だ。
「達海さんは何歳なんですか?」
「お前の10こ上」
「…!」
ふゆが分かりやすく驚く。
絶対さっきの俺と同じこと思ってんな。