短編 | ナノ
幸せの白い鳥


「今日は素敵な男の人と運命的な出会いがあるかもなー」

「ちょ…ちょっと待った!そういう事じゃないからっ!」


慌てる恭平くんを置いて歩き出す。


どうして気付いてくれないの。
気付いてないくせに、どうして私がして欲しい事をするの。


『恭平くんは幸せなの?』

『もちろん!理乃ちゃんと一緒に居るし!』


私だって、そうだよ。


『幸せが来るおまじない!』


おなじない、なんて言わないで。
それが私の欲しかったものなんだから。


これがただの「おまじない」だったら「幸せ」が何か分からなくなっちゃうよ。


幸せは君からしか貰えないって、早く気付いて。


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