「41歳の女に魅力を感じる」
二人っきりの無言の時間に達海さんがまた変なことを言い出した。
「41歳…ですか?」
「そう」
確認してみたところ、どうやら聞き間違いではなかったらしい。
未だ理解しきれていない私を置いて達海さんはその話題を続ける。
「あくまで41であって42じゃダメなんだよ。40はまだ可だな」
その1の隔たりの中に何があるのかよく分からない。達海さんなりのロマンだろうか。
「39歳はどうですか?」
「ダメじゃないけど最良ではない」
とりあえず会話は成立したけど意味はまだよく理解できてない。
「あの、急にどうしたんですか?」
無理に合わせるのはやめて真意を聞いてみることにした。
25歳の私が急に41歳になったりするのは無理だし、達海さんがそれを望んでるとも思えない。
私がじっと見つめると達海さんは頭を掻いた。
「お前にヤキモチやかせようと思って。まあ失敗したけど」
ホントは少し感じていたモヤモヤがその言葉で昇華されて、ドキドキになった。
「今みたいに突飛すぎるお話しでは無理だと思います…」
「あ、そう?」
声の調子が軽いまま変わらない達海さんに私の真っ赤な顔がバレていたのかは知らない。
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41歳女性に不思議な魅力を感じるのは私です。
達海さんはこの感覚を分かってくれそうな気がしたので代弁者に勝手に抜擢。