私の隣でテレビを見ている恭平くんの横顔を見つめる。
真剣に見ているようだったから名前を呼ぶのは気が引けて、代わりに床にその名前を書いてみた。
「あ」
「どうかした?」
「恭平っていい名前だね。名は体を表すって感じで」
「そう?」
疑問半分、褒められて嬉しさ半分といった顔を恭平くんがする。
じゃあ疑問の方を解決してあげようと、私は恭平くんの手の平に指で漢字を書く。
「恭っていう漢字、下に小さいって入ってるよ?」
気付いたことをそのまま言って前の発言の解説とする。
私にとっては新鮮な発見。恭平くんも多分気付いたのは初めて。でも二人の反応は全然違った。
詳しい描写は鬱陶しいから省略。
簡単に言うと、恭平くんはテレビをただ見ていた時とは打って変わって騒いでた。
一通り叫び終わった後に、人語を取り戻した恭平くんが反論した。
「小さくないし!」
さすがの私もその発言には可哀想になって何も言えなかった。
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世良さんは慎み深いって感じではないような気がします。いや、見方によっては慎み深い…のか?