「赤崎くんは私のことが嫌いなの?」
チームの広報である俺の想い人にそんなことを言われた。
ケータイを握り締めながら、うっすら涙を浮かべた上目遣いで。
「何でッスか」
「だってメールに絵文字使ってくれないから」
「はあ?」
一瞬焦りも感じたが正直拍子抜けだ。
告げられた理由もワケが分からないが、そこは男女の差だろうか。
「元々そんなの使わない方なんで」
「そうなの?」
「つーか男はそんなに使わないでしょ」
「世良くんはいっぱいつけて送ってくるけどなあ」
あの野郎。
「一回だけでいいから送ってみてくれない?」
本日二回目の上目遣いをされる。
元々見かけに惚れた俺が断れるワケなかった。
「一回だけッスよ」
「ありがと!」
その場は取りあえず別れて、家に帰って文面を考えた。
そんなに長い文も思いつかなくて苦し紛れに二つほど絵文字をつけた。
その翌日。
「やっぱ前のままでいい。ごめん」
笑いを堪えてることを隠す気もないその姿に、腹の底から湧き上がるものを感じた。
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冒頭は実話。私が知人から言われてビックリしたことトップ10より。
ところで小ネタはずっとこんな感じでいきます。