「私ね、男の子なんだ」


神妙な面持ちでされたのは意外すぎる告白だった。
その言葉がどうしても目の前の可愛らしい顔立ちと一致してくれない。

「…もう一回言ってくれる?」
「男の子なんだ、私」

小さい唇を動かして可愛らしい声で俺の要望に応えてくれた、けど。

「…………」

俺は部屋内のカレンダーを盗み見る。期待に反してエイプリルフールではなかった。
次に目の前の自称男の子を見る。そして俺の脳内にある標準男子の条件と照らし合わせる。
いや、合わせようと試みるもののあまりのギャップに不可能だ。

だって一人称「私」だし。スカート似合ってるし。脚だって白くて長いし。
ケータイもデコレーションして可愛くしる。声も高い。髪はやわらかくていい匂いがする。

どこを取っても女の子の要素しかない。男の要素が一つもない。

こんな可愛い子が俺と同じ性別とか有り得ない。
ショート寸前の頭が冷える頃に結論が出ると、目の前の大きな瞳が潤んだ。


「それでも好きって言ってくれる?」


そう。俺は彼女(彼?)に告白したところだったんだ。
出会ってから二ヶ月、募るばかりの想いを言葉にして交際を申し込んだ。

俺を傷つけずに断る為の優しい嘘かと思ったけど、涙目の彼女(彼?)を見る限り違う。

「ゴメン、だめだよね…」

瞳いっぱいに溜められた涙がその一言と共に零れ落ちる。
ドラマの映像効果じゃないけどそれはスローモーションで見えて、そしてとても綺麗だった。

彼女(いや彼)は俺の本気に本気で答えてくれたんだ。性別なんて関係あるか。

そう思ったら勝手に体が動いて、彼女(彼なんだけど)を抱きしめていた。

「好きだよ」

しかもそんな言葉を耳元で囁くサービスまでプラスだ。俺の無意識思考が優秀すぎる。

俺の腕の中にいるのはめっちゃ可愛い女の子…に見える俺と同じ性別の男の子。
色々と問題が山積みのような気がするけど、溶け合う体温に性別は関係ないと思った。


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なんだこれ。久しぶりの更新がこんなのですみません。
画像掲示板で準にゃんを見かけたら急にやってみたくなったんですごめんなさい。

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