「ビール飲む?」

今日も俺の部屋にのこのこやって来た童顔の恋人に一缶差し出す。

ただの興味からの行動だった。
顔はどう見ても中学生か高校生がいいところだ。そんな顔したヤツが果たして酒を飲めるのか。

そんな実験的意味合いの濃い酒盛りを始めて数分後。

「酔った?」
「よってらいです…らいじょうぶです…」
「酔ってんじゃん。呂律回ってねーし」
「ち、ちはいます!はながつまって…」
「あー。つまるよな」

近くにあったティッシュ箱を掴んで投げてやるとそれを上手くキャッチする。
運動神経なさそうだと思ってたから意外だった。

「うー」

辛そうに鼻をかむ顔はそう赤くなってない。むしろ鼻の方が赤くなりそうだ。

「そんなに辛い?」
「花粉症と合わさって辛いれす…」

鼻と連動したのかうっすら涙まで浮かべている。
そんな扇情的な表情を見せられたら、こっちも堪えられなくなった。

「ん、ふぅ…んんっ!?」

口も塞いでやる。唯一の呼吸器官を奪われて俺の腕の中で苦しそうにもがく。
それにまた煽られてより深いものにする。酒でお互いに熱を持った舌を何度も絡ませた。

「はぁ、はぁ…っはぁ」

解放してやると必死に呼吸を確保していた。少しだけ罪悪感。

「…達海さんから殺意を感じました…」

呼吸が正常に戻ってから真っ先に言われたのはそんな不穏な単語を含んだ台詞だった。

「好奇心は猫をも殺すってやつ?」

あえて否定はせずに返してやるときょとんとした顔をする。
それがまた可愛くてもう一度キスしてやった。今度は軽めに。

「達海さん酔ってます…?」
「んー?」
「酔ってますね…」


実験結果。途中から記憶が曖昧でよく覚えてない。


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久し振りにキス描写とか書いた気がします。このサイトはそーゆーの足りない!

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