ルイナ様から・28000番 キリリク





当たり前すぎる毎日で
俺はこんな日々がずっと続いてくんだろうって思ってた。


けどよく考えたら
多分俺達はこの先の進路はバラバラになる。


だから今この時しか
当たり前のように毎日一緒なんてありえないんだ。




あと一年しか…






そんなこと考えてたら、咲夏の家についちまった。


咲夏とは去年の冬から付き合ってる。
それまではずっと仲のいい友達みたいなもんで、なかなか恋愛に発展することはなかった。


だけど付き合うようになってからは
毎日一緒にいるきがする。
朝もこうして一緒に学校へいく。




「遅い。」




俺が不機嫌そうにそういうと
玄関から慌ててでてきた咲夏は顔の前で手をあわせると、すまなそうに謝った。



「ごめんねっ。」



「いくぞ」


そう言って俺は咲夏の手を握った。



「っ!?」


いつもは手なんか繋がねーけど


こんな毎日は当たり前じゃないんだってわかったから


手を繋ぎたくなった。










記念日







新曲ってわけでもない俺の好きな曲が
イヤホンから流れると


「あぁ!また一人で聞いてるっ」
とほっぺをふくらませる咲夏。



二人でいるときは二人で会話をしたいんだそうだ。



俺だってそうだけど
お前のその顔がみたいんだよ、ボケ。




そんな日番谷の心の声は届かず、咲夏は当たり前のように日番谷のイヤホンを片方外して自分の片耳につけた。


「あっこれ好き〜♪」




知ってるよ。



最初は別になんとなく聞いてただけだけど


咲夏が「この曲いいねっ」て前に言ってたから、聞かせてやりたくなった。






ほら、気持ちよさそうに瞼を落として

わずかにリズムにゆれる

その顔見ると俺、








好きだって
いいそうになる。