あっという間に放課後。


あっここからは咲夏視点になります。




私はいつものように部活に参加。

冬獅郎は今日は委員会があるんだそうだ。



帰りは待っててくれるっていうからよかった。







「ふぅ…」


今日も疲れたなぁ。






「お疲れ様でしたぁ」


「おつかれ」




わぁもうこんな時間か。




春だというのに今日はあったかいから
汗かくなんてな


咲夏は水道場で顔をさっとあらった。



喉がかわいたから水のもっかなとか考えていると


「ひゃっ!!」




右の頬に何か冷たいものが当たった。



反射的に振りむくと
冬獅郎が私の頬にペットボトルをあてていた。




「びっくりしたぁ」


「ほらよ、」



冬獅郎はそのペットボトルを私に渡した。


スポーツドリンクで
多分購買の横にある自販機で買ってきてくれたんだろうな。




「ありがとう。」



咲夏は不思議そうな顔で礼を言った。





そして何か気付いたのか

「えっ今日何日!?」
っと慌て携帯をとりだして日付を確認する。



「やっぱりな。」



「わぁ忘れてたぁ!いやっ忘れてたわけじゃないよっ今日だってわかんなくて」



そう、今日は
冬獅郎と付き合った日。


ちょうど一年の記念日だったのに!




「てか冬獅郎、覚えててくれたの!?」

あんなに面倒臭いとか言ってたのに…


「そりゃお前が一ヶ月も前からもうすぐ一年だねっ」とか騒ぐから。



わぁそうだよ
私が1番楽しみにしてたのに。






ちょうど一年前のこの日

このペットボトルだ。



部活で疲れた冬獅郎に私が買ってあげたんだ。




全部覚えててくれたんだ。


「ありがとう。」



「さっき聞いた。」




ちがうよ、
さっきのはペットボトルのありがとう
今のは私との記念日を大切に思ってくれてるのにありがとう。

重さが全然ちがうよ。