高校生の間は、私達の恋はもちろん秘密だった。バレないように連絡を取り合ったり、会ったりした。その頃から喜助さんと夜一さんと親しくなった。
そして卒業式の日、私は忠弘さんにプロポーズされたの。
「僕は死神です。貴女とは違って歳をとらない。それでも僕は風子さんと一緒にいたい」
「…おばあちゃんになっても?」
「もちろんです。僕が好きなのは高梨風子なのだから」
式は挙げなかった。代わりに真咲さんがその時から付き合っていた一心さんとお祝いをしてくれた。名前も高梨風子からみょうじ風子になった。
両親がいない私にはささやかな夢があった。
それは、暖かい家庭を作る事。
忠弘さんと私と子供が常に笑ってるような家庭を作りたいと願った。
大学を出た後、私は今の会社に就職した。とても充実した日々で毎日が楽しかった。
そして、私と真咲さんに子供が出来た。同い年だね。って笑った。
だけど忠弘さんは日に日に深刻そうな顔をして、ついに打ち明けた。
「風子さん、僕は貴女に謝らなければなりません」
「どうしたの?」
「……僕は、虚を倒すために現世に来たと言いました。だけどそれは、嘘なんです」
打ち明けた時の忠弘さんの悲痛な表情は今でも忘れない。
「half-bloodプロジェクト。僕はこれを遂行するために来たのです」
half-bloodプロジェクトとは、死神と人間の混血を作る事を目的としたもの。霊力をそのままに、生殖機能がある義骸を使って、人間との子供を作る。そしてその子供はどのような力を受け継ぐかの実験と言ってもいい。
そのチーム長が、彼。
十二番隊第三席のみょうじ忠弘自ら請け負ったプロジェクトだった。
つまりなまえは、死神と人間との混血児なの。
END
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