「うー……体動かしたいー」


ぐるるるるるるる!!

ギュゴガガピゴゴゴゴ!!

ドルルルルル!!




「ちょっとちょっと看護婦さん────っ!!クロちゃんの腹がうるせェさ──!!ねれねえぇーっっ」

「困ったわねェ、何か食べてもらいたくても、起きないことにはどうにも……」

「私は聴覚がよい分、キツイ……」

「よし、行こう!」

雲雀は点滴を外してひょい、とベッドから降りるとそれに続くように神田も起き上がるとカーディガンを羽織る。その後ろ姿を見ながらラビが声をかける

「どこ行くんさ?ユウちゃん、キョーちゃん」

「キョーちゃん言うなよ、馬鹿ラビ」

「ちっ、こんな所で寝られるか。自室に戻る」

「お腹すいたし」

「コラ!ダメだぞ、神田、恭弥」

「うるせェ」

「クロスに聞きたいことが山ほど……ぶっ!」

「マーくんの言うことを聞きなさい、ユーくん、キョーくん」

余所見をしながら病室を出ようとした雲雀は扉の前にいたティエドールにぶつかり思い切り鼻っ柱を押えて蹲っていた

「師匠ぉ……痛い……」

「……どいて下さい」

「可愛い息子達のお見舞いに来たんだよ。ベッドに戻りなさい、ユーくん、キョーくん。クロス・マリアンも今は取り込み中だからね」

「息子じゃねエし、教団に帰った途端その呼び方になるのやめて下さい」

「僕、もう子供じゃないよ」

「弟子は我が子も同然じゃないか。照れないで家にいるときくらいは私に甘えておいで」

「嫌だよ。ってか照れてないし」

「あきらめろ、二人とも。師匠はこういう人だ」

「おっ、俺は……っっ」

神田がわなわなと震えながら拳を握り、溜め込んでいた怒りを爆発させた。そしてそのまま医療器具などを投げ散らかしてそれこそ子どものようにぎゃあぎゃあと騒ぎ始める


「あんたのそういう所が大っっっ嫌いだー!」

「ユウ、今のうちに行こう!」

「あぁ。ここにいたら疲れる!」

二人はそそくさと病室から出ていくのを追いかけることも無く、病室でしばらくしてからティエドールがあ、と声を漏らす。それに反応したのはマリだった

「元帥?」

「ルベリエや中央庁の彼らが来ているのを伝えるの忘れてた。いやでもマリアンなら気がついてそうだね……上手くやってくれるといいが、あの男がそこまで気を回すかどうか」

「な……っ!……神田が上手く、してくれるといいのですが……」

「うん。今から集まりだから、部屋に行かなければ会わないとは思うけれど……。キョーくんにとって彼は……トラウマだからね」

「(中央庁が、恭弥のトラウマ……?過去に何かあったのか……?)」

ティエドールは眼鏡をあげながら呟くとマリもそれに同意していた。その様子を見ながらもラビは疑問をさらに増やしていた


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