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「《江戸接続》?なんですかソレ」
「いいから言え、タリーな。それで外に出られんだからよ」
「あとでキッチリ説明して下さいよ、師匠!」
「オレも聞きたいさ〜〜」
「さっさとしろよ、モヤシ」
「アレンだっていってんでしょ」
「眠い……」
「ケンカしないのっ」
各々が口々に言いたい放題言っていることにリナリーはピシッと制止の声をあげながら神田とアレンを止める。やがてアレンが踏み出しピアノの黒鍵を室内へと響かせながらも恐る恐る口を開く
「ほ、本船の《江戸接続》を解除。方舟よ、ゲートを開いてくれ。開くゲートの行き先は──……」
「おーい、みんな無事さ〜?」
「ラビ!?」
ラビの声に答えたのはアレン達ではなく江戸に取り残されていたブックマンやミランダ、マリ達だった。ミランダは地面に座り込みながらも皆の安否を円盤越しに確認しさらに涙を溢れさせる
「戻ってきたのか?」
「生きてる……っ、消えた時間が戻ってくるわ〜〜っ」
「神田も恭弥も無事か!?」
「うるせェ、マリ!」
「!!マリ────!!」
雲雀はマリの姿を見つけると方舟から駆け出し、すぐさまマリの体躯へと飛びつく。声や心音などからマリは雲雀だと再確認すると壊さないようにと頭を撫でる。その光景を見ながら神田は硬直していた
「Σ!?」
「師匠!聞こえましたか!?泣かんでいいですよ!神田はそんなにショックを受けるな!」
「……マリ、ぶった斬る!」
「うう゛っ、わ、私の新しい弟子になる子も無事か聞いてくれ……」
「そこにいるよ、ほら」
雲雀が指差した先には神田に鷲掴みにされるチャオジーの姿。それを見てティエドールは安堵してから、マリから離れ自分へと近づく雲雀に微笑み、再び泣き始める
「師匠も相変わらずみたいだね……。生きててよかった。ただいま、師匠」
「うう……っ、おかえり……っ……」
「……師匠泣きすぎ。元帥なんだからどこぞの飲んだくれお同じくらい堂々していいのに」
師匠らしいけど、と。呟きながら雲雀はまた身を翻し、暴れかねない神田の元へと小走りで急ぐ。次の場所へと向かうべく、再び方舟へと身を乗り出した
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