「ぐえ……っ」

「ビ……っ、ビックリしたである〜……」

「う゛ぉえ゛え゛え゛えぇっ」

「ちっ。大丈夫か」

「……何とか。ありがと」

「つっ、潰れ゛る゛う゛ーっ」

リナリーの上にアレンが潰さないように覆い被さり、その上にはラビ、チャオジー、クロウリーの順に乗っており彼らをアレンは腕の力でリナリーを潰さないようにと耐えていた。その隣では雲雀を抱えた神田が綺麗に着地している

「なんだ、この町は」

「!ここ……方舟の中ですよ!」

「ええっ!?」

「なんで、ンな所にいんだよ。恭弥を巻き込むつもりか」

「知りませんよ。ってか、何で二人までここにいるんですか」

「僕の下にペンタクルが現れて……その中に吸い込まれたらここにいた」

「!?恭弥も!?リナリーと同じように、吸い込まれたんですか?」

「リナリーも同じ……?なんでまた……」

「おっ、おい!?リナリーの下に変なカボチャがいるさ!!」

「はっ、どっどけレロ、クソエクソシスト!ぺっ!!」

「「「お前か……」」」

リナリーの下から現れたレロに神田は六幻、アレンは神ノ道化、雲雀は烈火をそれぞれ構え3人ともレロの喉元へと突きつける

「スパンと逝きたくなかったら、ここから出せ、オラ」

「さっさと出さないと咬み殺すよ」

「出口はどこですか」

「でっ、出口は、無いレロ」

《舟は先程長年の役目を終えて停止しましタ。ごくろう様です、レロ。出航です、エクソシスト諸君。お前達は、これよりこの舟と共に黄泉へ渡航いたしまぁース》

レロの口から出てきた千年伯爵を象った風船が現れて告げると同時に建物が崩れ始めた。その様子に全員が目を見開く

「な……っ!」

《可愛い我輩の恭弥を手にいれられないのは残念ですがネ》

「誰が……っ、」

《早くしないと危ないですヨ。引っ越し(ダウンロード)が済んだ場所から、崩壊が始まりましタ》

「は!?」

「どういうつもりだ……っ」

《この舟は、まもなく次元の狭間に吸収されて消滅しまス
お前達の科学レベルで分かり易く言うト……。あと3時間。それがお前達が、この世界に存在してられる時間でス》

「ぇ……あと、3時間……?」

《可愛い、お嬢さん……良い仲間を持ちましたネェ。こんなにいっぱい来てくれテ……》

「!」

《可愛い恭弥も、良い恋人を見つけましタ。こんな所まで付いてきてくれるなんテ。みんながキミ達と一緒に逝ってくれるかラ、淋しくありませんネ》

「伯爵……っ」

「……彼まで巻き込むな……っ!それに僕は死ぬつもりはない……!」

《大丈夫……誰も悲しい思いをしないよう、キミのいなくなった世界の者達の涙も、止めてあげますからネ》

そう言い残しながら風船は空高くへと浮かび上がっていった。その様子を見届けながら雲雀は歯噛みをして拳を握る






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