協力と獣の目


「ちっ……何だよ……またかよ……」


「よかった……」


「次も私たちじゃない……」


「見とこうぜ!!こっちが勝てば……クリアだろ!!」


窓から覗いていた栄治が叫び、相手チームから2人しか進んできてないことを見ながらいちかや翔子が確信や驚愕の感想を述べる
そんな中雲雀は目を細めて舌なめずりをした


「…………いや違う」


「雲雀?」


「あの二人はーー強い。……戦ってみたいな、直接」


そんな彼の言葉を現実にし突きつけるかのように2人のチームが勝ち、栄治や翔子の顔に冷や汗が流れる。そんな中天谷がひとつの疑問を持っていた


「他の奴は……?」


「え?」


「8人じゃないとここへは来れないハズだ……。2人だけって事はないだろう?」


「!?はっ……!!?」


「いや、一応6人いるね……一応、だけど」


「一応……?ーー!!?」


双子と思わしき二人は出血をし意識を失っているかのように見える6人を箱の外へと追い出し自分たちは箱の中へと入っていく


「え……何……今の……?」


「死んでた?」


「わからんけど……ヤバい……仲間割れでもしたのか?」


「いや……2人の方が煩わしくないから、という可能性もある……。それにしても、これは1対1まで持っていかれるね、きっと」


「雲雀、ちょっと知恵を貸してくれ」


「なんで僕なわけ。あれだけ畏怖していた君が」


「……今は仲間だ。それにお前も死にたくないならここは協力すべきだと、思う……」


そんな瞬の表情に雲雀は少し考える素振りをしてから小さく息を吐く。
脳裏に帰りを待っているであろう弟のような小動物や家族だと言ってくれた上司などの顔を浮かべながら


「……いいよ。帰るためには、手段を選んでいられない」







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