「やっぱり外は暑いですね、せんせ」

温室からの帰り、薬草の詰められたカゴを精いっぱいに抱えて見上げて言うちんちくりんな女子生徒の髪はきれいさっぱりに結い上げられて、後れ毛がほわほわです。
スネイプ先生と名前ちゃん、二人は空から燦々と降り注ぐ太陽の日差しを浴びながら歩いています。
名前ちゃんはお家の都合で夏休み、どうせスネイプ先生は学校内で研究に明け暮れるだろうとダンブルドア校長先生の予測により、スネイプ先生と一緒にホグワーツで過ごしていました。


 せんせいとなつやすみ


「ふー」

スネイプ先生は名前ちゃんに冷たい牛乳を出してあげて、そのひと息つく赤い罌粟の花びらのような唇に牛乳の乳白色が垂れたのを見てしまい、静かに焦り始めます。
ハンカチで口元を押さえる仕草、ダンブルドア校長先生が用意したおやつのクレームブリュレにスプーンを差し入れる仕草がなんとも、なんとも愛らしい!

「あ、せんせ」
「何だ」
「今日の分の宿題をしないと」

自分の部屋に帰らなきゃ、と言う名前ちゃんにスネイプ先生は顔をしかめます。スリザリン寮だけれどもちろん、スネイプ先生の執務室からは離れています。
すると、杖をひと振りするスネイプ先生。
あっという間に可愛らしい膝の上には勉強道具に机と椅子までもが執務室の中に現れて、目をまん丸くさせている名前ちゃん。

「食べてからで良い。我輩が見てやろう」

スネイプ先生は名前ちゃんを傍に置いておきたくてわざわざ勉強道具を呼び寄せたのです。まるで駄目な先生ではありますが名前ちゃんは素直に「ありがとうございます」と笑顔でお礼を言いました。


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