「………空?」


それはシンプルな額縁に収まった絵画だった。
絵はただ全面を青く塗ってあるだけのものだった。
雲も鳥も無い、真っ青なだけの絵。
だがスネイプは、真っ先に空だと思った。
よく見ると、微妙な濃淡がある。
額縁を裏返すと、短いメッセージがあった。


“大好きな空を 大好きなあなたに”


フッとスネイプは目元を和らげた。


「…随分と大きなラブレターだ」


それ以来、スネイプ教授の研究室には、“窓”が一つ出来た。

名前から貰ったその窓は、地下に篭る彼がいつ見ても、真っ青な空を覗かせる。


「次は…君と一緒に」


独りそう呟いて、スネイプは読んでいた本を閉じた。



fin


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