『スネイプ教授・・・。今日こそ、今日こそは返してもらいますよ!』

「断るっ!」

『私の一番のお気に入りなんですから!もう売ってないんですよ、その水玉柄のパンティ』



黒髪ベッタリ、性格ネチネチでおなじみのスリザリン寮監、スネイプ教授。
そんな教授に盗まれた私の下着の数は数え切れない。今日はそれを取り返すべく、教授の部屋に押しかけたわけですが。



「我輩にとっても一番お気に入りだ!コレを眺めていると憂鬱な雨の日も気分が晴れる。名字、外を見てみろ!灰色の空、ジメジメとした空気、もう気持ちはナーバス以外の何物でもない。だがこのパンティさえあれば心はサマーバケーション!美しいアドリア海の空が目に浮かぶだろう?」

『一回死んでください』

「生きるっ!」

『チッ!じゃあ、違うパンティ2枚あげますからそれだけ返してください』

「2枚か・・・?」

『・・・3枚』

「・・・・・」

『だぁーっ!もう1枚もあげません!さっさと返して!』

「待ってくれ、コレだけは見逃してくれ。代わりにいいものをやるから」

スネイプ教授が棚から取り出したのは青い液体の入った小瓶だ。

「この薬は飲んで願い事を1つ唱えると必ず叶うという貴重なものだ」

なんて魅力的な薬。パンティは惜しいけどしょうがない。これで手を打とう。

『わかりました。パンティはあげますからそれをください』

「よし。では早速飲んでみたまえ。これは作りたてで、あと2分以内に飲まないと効き目がなくなるのだ」

え?まじで?せっかく部屋に帰ってゆっくり考えようと思ったのに。仕方ない、今思い浮かぶ願い事を言うか・・・。



キュポンッ!

ゴクゴクゴク。



『スネイプ教授がパンティを全部返してくれますように!』

「名字が我輩に愛の告白をしますように!」



『え!?なんで教授が言うの?』

「フッ、飲んだ者の願いが叶うとは一言も言っていないぞ。飲ませた者の願いが叶うのだ」

『ひ、卑怯な!』

「どうだ、そろそろ効いてきたんじゃないか?」

『うっ』

言いたくない!スネイプ教授に愛の告白なんてしたくない!ああ、口が、勝手に・・・

『スネイプ教授・・・、好きです。愛してます』

ひぃっ!言っちゃった!

「名字、我輩も愛しているぞ。では早速愛を確かめ合うか。さぁ、ベッドルームへいざ行かん!」

『調子に乗んなやっ!』

バチコーーンっ!

「ブフォッ!!!」


天井を突き破り、灰色の空へと消え去ったスネイプ教授。ホグワーツに血の雨が降った、歴史的な一日になりました。


ちなみにあれからスネイプ教授は行方不明です。お空のお星様になったのかな?



(勝手に殺すな)
(あ、帰って来ちゃった)



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