今日の空はとても青くて綺麗だから、部屋に篭ってるのは勿体ない。
そう言って笑う名前に半ば強制的に連れられ外に出るが。
「……暑い」
思いの外高い気温に一言そう呟き日影に腰を下ろす。
「年中真っ黒だから暑いんですよ!」
あはっ、と可笑しそうに彼女は笑う。
何処までも広がる綺麗な青を背に笑うその姿は外でしか見られない。
随分貴重な物を見た気になって思わず口元を緩ませると、一瞬目を見開いた名前が今度は嬉しそうに笑った。
「ほら、外に出て良かったでしょう?」
天気が良い日は外に出なきゃ損ですよ!
そう言って我輩に近寄ってくる彼女が差し出した手を握り立ち上がる。
「あたし、教授と外歩くの好きなんです」
「…それは良かったな」
「うわ嫌そう!」
至極嬉しそうに笑う名前に何と返すべきか解らず無愛想(多分)に返事すればむくれる彼女に苦笑する。
たまにはこうやって、外に出るのも悪くない。
きみと見る空
(何処までも青いそれを見て笑う彼女を、ただひたすらに綺麗だと思った)