バイト帰りに電車に乗っていた私は、仕事の疲れからこっくりこっくりと半分眠っていた。 いつもなら降りる駅の手前で目を覚ますので、いつも通り私は眠っていた。 どれほど眠っただろうか。 「お客様、お客様。」 肩を叩かれて私は目を覚ました。目の前には車掌さんらしき人がいた。 「終点ですよ。」 その言葉で私は完全に目を覚ました。嘘、終点!?やばい、早く降りないと! 「すみません!」 私は慌てて車両から飛び降りた。 目の前には知らない光景があった。 見覚えのない建物、車、そして…道を掃除してまわるロボット…。 めまいがした。まだ夢の中にいるのだろうか。振り返るとそこに電車はなく、私は知らない道路に立ち尽くしていた。 私は混乱した。さっきまで確かに電車に乗っていたのだ。携帯の画面には「圏外」の二文字。途方に暮れた。 「っ、危ない!」 絶望しきっていた私は、後ろから聞こえた声に気付かなかった。 20120522 |