「おい、起きろって。」
幼い、子供の甲高い声で目が覚めた。最初に目に入ったのは幾何学模様の天井。そこには3つの椅子があって、白い衣装に身を包んでいる3人の人間が座っている。人間…いや、違う。きっと彼らがゾーンの言っていた「過去に向かった誰か」…。
「やっと目を覚ましたか。」
「おはよーユツキ。」
「君のことは創造主ゾーンから聞いている。我らイリアステルの計画を手伝ってくれるそうだな。」
彼らは私の名前を知っていた。創造主ゾーン…彼らはゾーンに作られた存在ということなのだろうか。よくわからないけれど、ゾーンの頼みだ。彼らに協力することにしよう。


子供の名前はルチアーノ、青年の名前はプラシド、老人の名前はホセと言うらしい。簡単な自己紹介の後、3人の代表としてホセが説明してくれた。イリアステルのこと、この世界で行う「サーキット」を出現させる計画のこと。
ゾーンはこの世界で「サーキット」を出現させてなにかをするのだろうか。未来を…あの未来を救うためにこの世界に干渉しようとしているのだろうか。
「ユツキの力を借りたい。」
「ね、面白そうでしょ?一緒にやろうよユツキ。」
「どうするユツキ、お前の答えは?」
もちろん私の答えはたったひとつ。小さくうなずいた私に3人は満足げな笑みを浮かべた。



20120313
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