私は小さい頃"達海猛"というサッカー選手が大好きだった 1日ずっと達海さんのこと考えてたし、幼なじみの有里ちゃんとよく達海さんを追っかけてた 有里ちゃんはサッカー選手として達海さんを好きだったんだろうけど、私はひとりの男として達海さんを好きだった 小さいときのことを確実って言うのは難しいけど、大人になった今気持ちを忘れられてないあたりやっぱり達海さんに恋愛感情を持ってたんだなあと思う 今思えば年上に恋愛なんてませてる子供だなあ 「わたしが16歳になったらたつみと絶対結婚する!」 「たつみが外国に行くならわたしも行く!それで帰ってきて帰国子女になる!」 「たつみは外国でも人気者になるよ!世界一かっこいいもん!」 うん…思い出すと変なこと言ってるしいくら小さいときのこととはいえ恥ずかしいな …達海さん忘れてますように! 達海さんを好きなことには変わりないけど、今はイングランドで監督してるらしいし会えない確率高いし会ったとしても結婚しているかもしれないからもうこの思いは胸の中にしまっておこうと思ってた時だった 有里ちゃんと後藤さんがイングランドから新監督を連れてくることに成功して、私はてっきり外国人監督かと思ってたら前に現れたのは達海猛だった 「ほんとお前も有里も変わってないのな。仲が良すぎて同じ職場とはすげーや。」 「た、つみ…さん?」 クラブハウスの一室にひょうひょうと現れたこの人に会ったとき思わず涙が出た 声を上げて泣いた 好きすぎて泣いたのは生まれて初めてだ多分 人前で泣くなんて恥ずかしいし化粧落ちるしほんとは嫌いだ でも嫌いといっておさえられるもんではなかった 「ごめん、なまえちゃんに新監督候補が達海ってこと言ってなかったもんね。確定してから言おうと有里ちゃんと話しててね。ちょうどなまえちゃんも出張していた時期だったし。」 「なまえちゃんごめんね。出張行っているときに言うのもあれだなあと思って昨日達海さん来たんだけど報告はなまえちゃん帰ってきた今日になっちゃった。」 有里ちゃんはごめんと両手を合わせた 「まあとりあえずいろいろ話したいこともあるだろうし少しふたりで話なよ。有里ちゃんと俺は先に行ってるから。」 そう言って後藤さんと有里ちゃんは少し申し訳なさそうに部屋を後にした ふたりが部屋から居なくなると達海さんが近付いてきて泣いている私の頭を撫でた こうされると昔のことを思い出す 達海さんを追い掛けて転んで泣いたとき、同じように頭を優しく撫でてくれた 今、頭に感じる軽い重みも温もりも何一つ当時から変わっていない 「おいおい、そんな泣くなってー、そんなに嬉しかったのかー?タッツミーのご帰還が。」 「…っ!達海さんのバカ!相変わらずバカ!私がどれだけ…待った、と思って」 「あーごめんごめん、そんなに泣くと化粧落ちるよー。ホラあれだよもっと良い男になるには外国も行っとかなきゃなぁなんて。」 ニヒーってイタズラっぽく達海さんは笑った そんな嘘に今の私は騙されない サッカーのことで行ったって今の私なら分かる 昔なら達海さんの言うことを絶対に信じてたから騙されてたけど私ももう子供じゃない 「そんなのには、もう騙されないもん。」 「昔はなんでも信じてくれてたんだけどねー。もうあれも何年も昔の話かー。」 「私だって大人になったんだから。」 「んー変わってないと思ったのに、そこはちょっと大人になったんだね。そういえばお前、昔した約束覚えてる?」 「は?約束…?」 「ん。」 「約束なんてしましたっけねー…」 達海さんが言った言葉が予想外すぎて自分の脳内で急いで当時の約束を思いだそうとする!けどなかなか思い出せない 「うわぁ覚えてないんだあ、ひっどなまえ」 「あああごめんなさい今思い出すのでもう少し待ってください!」 ふてくされる達海さんの前で私は頭を抱えた さっきまで当時のことを思い出してたんだけどなーあれー? 「じゃあヒント!こうしたら思い出す?」 達海さんは自身の右手の小指と私の右手の小指を絡ませた それはよく約束をするときにするあのかたちなわけで… 「わ!思い出した!それって達海さんが外国に行く前の…」 「ようやく思い出したかー!帰ってきたら結婚してやるってやつ。ちょうどお前も相手いないらしいしちょうどいいんじゃない?」 変わらぬ愛おしさ 「どうしようまた涙出てきたあ。」 嬉しさから感極まってまた泣き始めた私の涙を優しく達海さんが手で拭ってくれた 「約束は守るためにあるもんだかんね。俺がお前との約束破るわけないじゃん。」 いつもの調子で笑う達海さんが愛おしすぎて私は勢いよく抱き付いた ---------- タッツミーがな ぜ かロリコンのようになってしまいましたorzすみません 会話も長ったらしいし、いろいろと分かりづらいですねー 裏設定みたいな感じですが主人公は恋愛経験が全くないわけではないです!ただタッツミーがチラついてうまくいかなかったってだけで(笑) 0423*那智 |