「バッキーは頭の悪い猟犬だ」 「ほんと椿くんって犬っころね」 俺はここ最近"犬っぽい"って言われることが多くなった 原因はキャンプのときの王子の発言なんだけど、今は王子だけではなく他の人からも犬っぽいって言われてます 「やぁ!椿くん元気〜?」 クラブハウスの中を歩いていると後ろから背中をバチンと叩かれた 「なまえさん…!げ、げ元気っす!」 振り返ると広報のなまえさんだった 普段年上の人を名字で呼ぶ俺だけど本人が名前で呼んで欲しいと言うから名前で呼ばしてもらってる ちょっと特別な気がして嬉しかったり 「ふふ、元気が一番よね!なんか考え事してたみたいだったからお姉さん心配しちゃった。」 「あ、ぅあ、す、すみません…なんか」 「いいのいいの!顔見たらいつも通りの椿くんだったし!」 「へへ、」 ニコって笑うなまえさんにつられて俺も笑う 「じゃあ元気な椿くん、はい!」 「…はい?」 はい!という声と同時に元気よく出された右手の意味が俺にはよく分からなかった 「あっれー?はい!バッキーお手!」 「お、お手?」 「ETUのわんこはお手出来ないのかな?」 そうだこの人も俺を犬扱いする人だったんだ 「バッキーは僕が飼ってる犬なんだ。なまえもたまに遊んで上げてよ。」 なんて王子がなまえさんの前で言うから面白がって… 「はい…」 なまえさんの右手に自分の右手を重ねる 「わあ!いいこバッキー!」 えらいえらいと言ってなまえさんは俺の頭を撫でる 自分でも何やってるんだろうとは思ったけど、手を重ね合わせて頭を撫でられてと一連の流れを振り返ったら急に恥ずかしくなって体温が上昇した 「ふふほんと可愛いね椿くんは。よーし、じゃあおいでっ」 「…!!!」 なまえさんはおいでという言葉と共に大きく両腕を広げた 「ぁ、あのっその…」 「ん?」 求められている行動を想像するだけで余計に恥ずかしくなってなまえさんの顔をチラって見たらいつもの笑顔でただ両腕を広げてた そんな笑顔を見ていたらなんだか逆らえなくてぎゅーっと腕の中におとなしくおさまってみた 「え…!」 なまえさんの驚いた声を聞いて俺もふと我に返って体を離した 「ぅわ!え…とすみません!し、失礼します!!!」 「ま、待った!」 恥ずかしさからいてもたってもいられなくなってその場から走り去ろうと思ったら練習着の裾を引っ張られて俺は勢いよく立ち止まった 「椿くん、」 ゆっくり振り返るとなまえさんはまだ服を掴んだままじっと俺の目を見つめてきた 「椿くん、私だけの犬になる気はない?」 「え?」 猟犬の場合〜黙って抱きつく〜 「あ、あの意味がよく…?」 「ちょっと、ちゃんと分かってよ!恥ずかしいじゃない!」 「す、すみません!」 あとでちゃんと意味を理解しました ---------- 初作品は大好きな椿で しかし訳の分からない話に(笑)王子しゃしゃりすぎだしw 年上に振り回される椿がかわいすぎて← 実は番犬の場合もあります(^o^)またあとで 0419*那智 |