※三番目に幸せの続き 式も終わって私は二次会に誘われた 正直、スピーチに気疲れしすぎて最初行く気は起きなかったけど(ごめん!) 新婦に「来てほしい!」と言われたので断れなかった 可愛く着飾った新婦姿の友人に頼まれては断れるわけがない 私は男か! とツッコミをいれたくなったけど周りの友達も何人か私と同じ感じだったので、ツッコミを入れる必要はなくなった 友達の頼みを断れないのが私の悪いところなのかもしれない そう思いながら友達何人かと会場に向かった パーティールームのようなフロアを貸し切って行われたけど予想以上に人がたくさんいて驚いた サッカー選手の結婚式の二次会だし人がたくさんいるのは当たり前なのかもしれないけど 「なまえ具合悪いのー?大丈夫?なんか顔色悪い。」 「なんかちょっと酔ったかもー、一回外出てこようかな。」 「外出れば少し気分変わるよね!ついて行こっか?」 「ううん、大丈夫!そんな重大な事態じゃないし!二次会楽しんでて、ね。」 一緒に二次会に参加してた友達に心配されつつ地下の会場から地上へと綺麗な階段を上った 外に出て息を吸い込む 人ごみの生暖かい空気ではなく綺麗な空気が体内に入ってくるのを感じた 「っ、はあー!」 「あ、なまえちゃん」 気分がよくなってきた気がしたから両腕を上げて叫んでたら後ろから声を掛けられてびっくりして私はその体勢のまま固まった 「…今の聞いてた?」 「うん、まあ。」 「うわー…最悪」 私は上げていた手を下ろして恥ずかしすぎて熱くなった顔を両手で覆った 「見なかったことにするから!ね!」 丹波さんは私の両手を顔から引き剥がしながらそう言った 「丹波さんは相変わらず優しいね、」 「そう?なまえちゃんだから優しくしてあげてんの、野郎だったら絶対優しくしないよ!」 丹波さんはいつも優しい 堺さんの彼女の友達の私にまでいつも優しく気軽に話しかけてくれる そんな彼に何度か会って実は少し惹かれていた でもすぐにその気持ちは心の奥にしまっておくことにした サッカー選手なんてモテそうだし、それに丹波さんは良い人だ モテないわけがない 私からしてみればハードルが高すぎる相手だし自分からガツガツ行けるほど自分自身にも自分の恋愛テクニックにも自信はない こういう人はモデルとか芸能人からもアピールとかされていると思う 近いけど手の届かない存在ってことで、私は話したり出来ているだけでも幸せだと思った 「そういえば、なんで丹波さん外に出て来たの?」 「あー、なまえちゃんが出て来るの見えたからどうしたのかなーって思って。」 「またまたー、私はちょっと気分悪かったんで外に出て来たってだけで。」 「そうなんだー、でも今は顔色見る限り平気そうだね。あ!言っておくけど、心配して出て来たのは本当だからね!」 「あ、ありがとう!」 じっと見つめられて優しい言葉を掛けられて私はドキッとした こんなことで喜べる私は自分が思っている以上に単純な女なんだと思う 「そろそろ戻ろうかな?」 また好きという気持ちが戻ってきそうで怖かったから逃げるような言葉を告げて地下へと繋がる階段の方を向こうとした 「待った!」 「はいっ?」 グイッと腕を引っ張られて私は丹波さんの方を振り返った 「なまえちゃん、なんか気付かない?」 何故か両肩を掴まれて問いただされた 丹波さんの言ってることの意味がよくわからなくて 「いやっ、あのー、意味がよく」 しどろもどろにこう答えることしか出来なかった 私何かしましたっけ? 「俺、なまえちゃんのこと心配してここに来たんだよ?」 「うん。」 「何とも思ってない人のこと心配なんてしないよ。」 「うん。」 「ここまで言って分からない?」 「…うん。」 「だから!なまえちゃんのこと好きだからどうしたのかなって思って会場の外まで出てきたんだって!」 「は!?」 いきなり何かと思えば好きとか言われて私の頭は混乱した 顔には熱が昇る 「そ、そんな周りくどい言い方じゃ気付く訳ないよ!」 「俺、なまえちゃんのこと好き!」 「ちょ、直球すぎるよ!それはそれで恥ずかしい…!」 「ここまで伝えたけど返事は?」 「私も好き、です。」 気持ちを押さえる必要は無くなったので思わずこう伝えてしまった 丹波さんの顔を見たら嬉しそうに笑ってて私もつられて笑った 次は私の番 彼は届かない存在じゃなかったみたい ---------- やっと完成した! 何度も何度も書き直しました。結末に悩みまして。 丹波さんだったので明るい感じでおさまりました(笑) 三番目に幸せという作品でスピーチを読んでいた彼女ですが、幸せになれてよかったです本当に! 続きを希望してくれた一美さんありがとうございました!(お名前勝手に出してすみません) 0614*那智 |