-♀side- 双子って小さいときから一緒にいるのが当たり前、同じ服を着るのが当たり前(私たちは男女だから色違いだけど)、結構不思議な関係 私たちはもう立派な大人だけど一緒にいるのはまだ当たり前で、今日も遼の車の助手席に当たり前のように乗り込んで家に帰る 「はぁー!ただいまー!疲れたー!」 「そこで座んないで早く靴脱げよ。」 ドアを開けてすぐしゃがみこんだ私のお尻当たりを遼が軽く足で押す 「ごめんて、ちょっと待って。」 足が靴から解放されたので部屋へ入りリビングにあるソファーに体を預けた 「なまえ邪魔ー。」 「私は疲れてるのー。」 「俺はあんまり。」 「昨日試合だったから私たち広報は今日忙しいのー。選手は調整とミーティングだけだとしても。」 先発メンバーとして昨日出場した遼は調整とミーティングだけで今日の練習は終わったようだけど、私は試合の当日より次の日の方が忙しかったりする 試合当日の仕事は有里さんにしか出来ないような仕事でまだ新人の私にはその仕事を回してもらえないし、 それに 「…遼が五輪代表に選ばれてから私の仕事増えた。」 「嬉しくねーの?」 「すごい嬉しい!」 思わずにやけてしまった私を見て遼も少し笑った気がした 自分の仕事が増えようと、自分の双子の片割れが活躍してくれることはすごく嬉しい 「疲れてるなら今日はひとりで寝たら?」 「えー…いや、普通に遼と寝る。」 「あそ。」 私たちはご飯を食べてお風呂に入っていつも通り遼の部屋に行ってふたりで遼のベッドで寝る どっちかが疲れたりひとりになりたい時だけ私が自分の部屋のベッドに寝る でも一緒に寝ることの方が多い 昔からずっと一緒に寝てるけれどこの年になってまで一緒に寝てるとは私にも想像出来なかった 「今日もお邪魔しまーす!」 「ん。」 遼のベッドに今日もゴソゴソと潜り込むと壁際を向いていた遼がこっちを向いてくれた 「おやすみ。」 「おやすみなさい。」 私は遼の顔を寝る前に見て安心して眠った 二人の定位置 隣同士が定位置 ---------- 二人の日常です。 二人にとっては当たり前だけど世間から見たらおかしいんです(笑) 今回はヒロインサイドのお話で次回は赤崎サイドです。 0530*那智 title*HENCE |