紅い花、咲いて散る。

 遠くから、打ち寄せる波の音が僅かに聞こえてくるだけの、静かな夜。璃月港にある宿の一室。
 机の中央部にある花瓶に生けられているのは、一輪の紅い花。何故一輪だけなのだろう、とタルタリヤが不思議に思っていると、彼の心を読むように蛍が言った。何輪かあったけれど、他は全部萎れてしまったの、と。花は大抵の場合、あまりにも儚い一生を終える。芽吹いた場所で空を見上げ、雨曝しのままいずれ花弁を落とす。
 蛍の方へ向けていた蒼い目を、タルタリヤは再び花に向けた。紅。この色彩をまるで鮮血のような色だと言えば、彼女は気を悪くするだろうか。自分の発想が他者と比べてやや歪であることを、前々からタルタリヤはある程度自覚していた。
 蛍とタルタリヤが想いを通わせたのは、それほど前のことでは無かった。蛍は旅人で、テイワット大陸に存在する国々を巡っている。あの日――離れ離れになった兄を探して、その手がかりを得る為に、元素を司る七柱の神に会おうとしているのだ。タルタリヤがそんな彼女と知り合ったのも、此処、璃月であった。氷国スネージナヤの使節である彼は、もともと蛍の進む道とは違う道をゆく存在のはずだった。
 事実、ふたりは全力で戦ったことがある。それは黄金屋での一件だ。タルタリヤは岩神モラクスの姿を現させ、彼の持つ「神の心」を奪う為に上古の魔神を目覚めさせた。魔神の名はオセル。蛍と「璃月七星」、それから仙人たちの活躍で悪意に満ちたオセルは斃され、璃月は水没の危機から脱した。結局「神の心」はファデュイに渡ったのだけれど。
 あの日のことを、蛍はよく覚えていた。今でも鮮明に思い描くことが出来る。あれから少しの間を置いて、タルタリヤは蛍に同行したいと言ってきた。最初は拒むつもりだった。また何かを企んでいるのではないか。スネージナヤは、彼を使って何かを探ろうとしているのではないか。だが、どうやら彼はそういったつもりでは無いらしい。蛍は距離を取りながら、彼の真意を知ろうと努力した。一緒に幾つかの夜と朝を刻み、時には背中を預けるようになり、気付くと彼に対する不信感は拭えていた。代わりに芽生えてしまったのが――いわゆる恋心だった。あまりに容易く傾いた想いの天秤。戸惑わない筈も無いのだけれど。
「それにしても、今日も忙しかったね?」
 タルタリヤが蛍に向き直る。蛍は今、璃月を活動の拠点としていた。少し前に稲妻での旅を終えて、契約と商業の都へ戻ってきたタイミングで。必要ならば、モンドや稲妻にも足を運ぶが、いまのところ、璃月を中心に情報収集や様々な依頼をこなしている。今日は、璃月港の北側にある瓊野で、ヒルチャールなどの討伐をしてきた。
「もし疲れているようなら、早めに休んでも俺は構わないよ」
 タルタリヤが和らいだ声で言う。そんな彼に対し、蛍は何度か首を横に振った。私は大丈夫だから。そう続けられて、タルタリヤは「そう」と発してから、静かに「隣に行ってもいいかい」と言った。彼の胸も、気付けば彼女の存在が大きなものに膨らんでしまっていた。蛍は拒むことなく、こくんと頷く。小さく揺れた淡い金色の髪。普段はそこに咲いている花飾りは現在外されている。
「――蛍」
 このように彼が彼女を名前で呼ぶのは、殆どの場合ふたりきりでいる時に限られる。タルタリヤの声は優しくて、何処か甘い。隣のソファに座すと彼は蛍の身体を惹き寄せ、頬に唇を寄せる。白いそこがみるみるうちに紅潮していくのが分かり、タルタリヤがくすりと笑う。体温が急激に上がっていくような、そんな感覚に蛍は陥った。こうして彼と恋人らしく過ごすのは何処までも幸福で、だけれども大変に恥ずかしい。
 思い返せば、誰かとこのような関係を築いたことは無かった。蛍は彼の目をじっと見る。彼の方も目を向けているせいで、必然的に視線が絡まり合う。タルタリヤが蛍の唇を奪ったのは、その直後だった。ん、と声が漏れ出て蛍は赤面する。彼との口付けは初めてでは無い。熱と熱を重ね合うのは、決まって周囲の目が無い静かな夜。何度目になるか数えていないけれど、毎回、蛍は全身が火傷してしまいそうになる。一方で彼は妙に余裕を見せていて、紅い顔の蛍を見てくすりと笑うことも多かった。
「んんっ……」
 啄むようなキスが何度か繰り返される。柔らかい彼女の桜色の唇は砂糖菓子のように甘い。
「そういえば、相棒は随分と長い旅をしているみたいだけど、好きになった男はいなかったの?」
 タルタリヤが愛しげに蛍の髪を撫でながら問いかけた。その疑問に蛍が俯く。ぱさ、と落ちた金色の髪。彼女が顔を上げて「いないよ」と答えるのには、少々の時間を要した。
「じゃあ――俺が君の初めてでいいのかな、蛍」
 タルタリヤは顔を近付ける。整った顔に、悪戯っぽい表情が浮かんでいる。どうしてこの人はいつも余裕を見せるのだろう。蛍は胸が締め付けられる思いだ。私はこの感情に振り回されていて、どうしたらいいのかすら分からなくなりそうなのに。これも、男女の性差だとでも言うのだろうか。
「……嫌、かな?」
 蛍の顔色がゆっくりと曇っていくのを、目敏いタルタリヤは見逃してくれない。
「ち、違う、違うの……タルタリヤ。ただ、私は……」
「ただ?」
 次第に細くなっていく蛍の声。必要最低限の明かりしか灯されていない暗がりの中、タルタリヤは蛍の顔だけを見つめていた。
「……なんだか、私だけが、……その、す、好きみたいで」
 どうしようもない気持ちになってしまった。蛍の本当の気持ちが声になってタルタリヤの胸に届く。ああ、ごめんよ。君を不安な気持ちにさせたのは俺のせいだね。彼はゆっくりと、そして丁寧になぞるように台詞を口にした。またしても俯いていた彼女が「えっ」と顔を上げる。揃って潤んだふたつの瞳は、ありふれた表現になってしまうけれど、とても高価な宝石のように美しい。
「俺は蛍のことを愛しているよ。心の底からね」
 タルタリヤの声が蛍の鼓膜を、胸を、大きく揺らす。
「俺たちの間にはいろいろあったし、多分、これからもいろいろあると思うけど……俺が君のことを好いていること……これは変わらない自信があるよ」
 彼の言うことは大体理解出来た。彼はスネージナヤの闇と言えるファデュイの一員で、「公子」と呼ばれる執行官でもある。蛍はそんな彼と協力関係を結んでいたこともあれば、激しい戦いを繰り広げたこともあった。今の少し曖昧で、あやふやな関係がずっと続くかどうかは分からない。彼は彼女を「相棒」と呼ぶけれど、いつまでも同じ道を進めるとは断言出来なかった。だが、タルタリヤが蛍を愛したこと、そして蛍もまたタルタリヤを愛したことは事実。たとえまた道を違えても、結んだ心は解れない。
「蛍」
 君が好きだよ、と彼は耳元で囁く。
「……わ、私も」
 同じ気持ちでいる、と掠れた声で付け足した蛍。タルタリヤは彼女を両腕で抱きしめる。彼の腕の中、蛍は心臓がばくばくと弾け飛びそうな程に強く鳴るのを感じた。

 タルタリヤが蛍を抱きかかえ、寝台に寝かせる。ギシ、と軋む音は理性の箍を外す音によく似ていた。戸惑いが抜けない蛍の目をじっと見てから、タルタリヤは何度目になるかも分からないキスを頬や額、唇へと落としていく。その度に蛍が身を捩った。回を重ねる毎にそれは深さを増していき、蛍は熱い吐息を漏らしながら、無意識に視界を滲ませた。
「んっ……はあっ……」
 唇が解放されても、発せられる声の熱度は下がりそうもない。真っ赤な顔に、濡れた瞳。彼の手である程度はだけれた胸元や首筋。タルタリヤは彼女に対する愛しさと独占欲、そして支配欲にも近いものを抑えきれないでいる。
「……ごめん、あんまり、優しくしてあげられそうにない」
 タルタリヤは素直に言った。時計の秒針がカチコチと進んでいく音がする、そんなこの一室だけ、温度が急激に上がっているような気がする。おそらく初めてであろう蛍に無理をさせたくはない。だが、タルタリヤの胸に満ちるもののすべてが「彼女」のことを強く求めていた。
「――タルタリヤ……」
 手を伸ばし、蛍が応える。その細い腕で剣を握って多くの戦場を駆け抜け、たくさんの者を救ってきた蛍。タルタリヤは彼女から数ミリも目を逸らさない。
「……私は、大丈夫だから」
 それに、と彼女が即座に続けた。
「タルタリヤは私のこと……壊したりしないって、私は、知っているから」
 蛍はふわりと微笑んだ。こんな時だというのに、その笑みは、果ての無い青い草原を吹き抜ける風のように清らかなものだった。タルタリヤは目を瞠る。そして、頷き返す。愛しているともう一度伝える為に、唇を重ねる。舌と舌が絡み合い、ふたりの吐息も一体化した。
「でも、辛かったら正直に言ってくれよ」
 そう思ってくれているのはとても嬉しいけどね、そう言って、タルタリヤは彼女の首筋をつうっと舐める。全身になにかが走っていくのを蛍は感じた。そのまま彼は胸元を覆う白い布を取り払う。蛍が小さな声を漏らし、茜色の夕空にも似た色の顔が若干歪んだ。綺麗だ、と素直に言いつつ、タルタリヤは胸の頂に唇を寄せた。駆けていく甘い刺激。ああ、と蛍が声をあげる。執拗に舐られて、指先では反対側の頂に触れて。彼女が「タルタリヤ」と彼の名を呼ぶが、きっとそれは無意識的なものだろう。
「――気持ちいいかい、蛍」
 訊いたところで彼女はきっと答えられないだろうな、と予見しつつタルタリヤが訊ねると、蛍はやはり喘ぐことしか出来ずにいる。だがその反応を見るに、いいのだろう。涙目の彼女は大変に愛らしい。タルタリヤはもう一度口付け、それから中途半端に残っていた下腹部と、そこから更に下にかけての衣服を脱がせた。蛍が素っ頓狂な声をあげた。そんな彼女ににやりと笑い、タルタリヤは太腿に触れ、その手を下へ下へと移動させる。脚をゆっくりと開かせ、最後まで残っていた下着を剥ぎ取った。蛍がびくんと身体を震わせる。
「――大丈夫だ、怖がらないで」
 君も言っただろう、俺は君を壊さないって。タルタリヤは再び彼女の髪を撫でてから、秘められたところに触れる。薄い紅色を解すように動くその手は酷く優しいが、彼女の喉から出る声は不釣り合いな程に艶っぽい。こんなに感じてくれていたのか、嬉しいよ、と彼は言って指を動かす。撫でるように触れているだけだったが、そこはじゅくじゅくと水音を立てる。蛍はもう何も言うことが出来ない。口から出るのは、意味を成さない上擦った声ばかり。
「ああっ……んっ、あっ……!」
 辛うじて残された最後の理性で、彼女は自分の口を手で塞ごうとする。それを無情にもタルタリヤは剥がして「聞かせて欲しいな」と続ける。俺にだけなら良いだろう、なんて言えば蛍の目から淡い光が音も無く落ちた。その間も彼の指は動き、やがて何も受け入れたことのないところへ押し込められていく。
「あっ……ふ、あっ!」
 丁寧に解き解したつもりではいた。しかし、蛍のそこは頑なに強張ったまま。
「力を抜いて」
「ん、んんっ……」
 中指が奥へ押し入ったかと思うと、素早く引き抜かれる。それが何度か繰り替えされるうちに、とろりとした蜜が溢れてくる。遠慮無く最奥を突かれて、蛍の肌が粟立った。怖くないと言えば嘘になる。幾ら大丈夫と言われても、そして彼女自身が彼を信じていても、誰にも暴かれたことのない部分が、今まで味わったことのない感覚に襲われているのだから。
「……蛍」
 今夜だけで、タルタリヤは何度彼女の名を発しただろう。机に置かれた花瓶の紅だけは、きっとそれを律儀に覚えている。いつもは可愛らしいとか、愛らしいとか、そういった印象を与えがちな蛍だが、今の彼女は普段よりずっと大人っぽく思えた。タルタリヤは胸が満たされるのを感じた。こんな彼女を知る者は、広いテイワットの何処を探しても自分しか居ないのだと。ああ、と彼女が声を上げている。
 時が経つにつれ、蛍のそこは、完全にその指を受け止められるようになっていた。気を良くしたタルタリヤが遠慮無くもう一本、と指を足す。痺れるような感覚が明らかに強くなる。快楽といえるものは波のように寄せては返し、蛍はその深い海へ沈んでいってしまいそうな気がした。普通に考えてみれば――それはとても怖いことだ。でも、とタルタリヤの顔を見上げる。彼だから怖くはない。そう理解している自分がいた。まだ彼をよく知らなかった頃に、彼へ向けていた感情は姿を完全に隠している。まるで、深々と降り積もった白雪に覆われたかのように。
「――もうそろそろ、いいかな」
 彼が言う。蛍は視線だけでそれに応じた。
「……入れるよ」
 辛かったら俺に爪を立てたって良いから。そう告げると同時に、タルタリヤの熱があてがわれた。蛍はぎゅっと目を瞑る。
「ああっ――!」
 ぐっと捩じ込まれたものに、少女は悲鳴にも近い声を上げることしか出来なかった。蛍の意識が遠くへ飛びそうになる。肉杭が奥へ奥へと沈められていく。ああ、と彼が息を漏らすのが聞こえた。俄にタルタリヤが動き出すと、それと同時に蛍の声が響いた。青年の鍛え上げられた身体にしがみつく蛍の視界は曇っている。曖昧で、ぼやけたその中で、タルタリヤの存在だけが近くに感じられた。彼は高みを目指して動き、その動作に伴うように寝台がギシギシと音を立てる。
「あっ、ああっ……んんっ……」
 気持ちが良い、と吐き出すのは、はしたない。だが、最早それが今の彼女を支配している。いま、此処に居るのは愛情を貪り食い合う男と女。いつもの自分たちとは違う。タルタリヤから与えられる全てに、蛍はただただ身を委ねることしか出来ない。
「あああっ、た、たっ、たるた……ああっ!」
 ――このまま、ずっと、ひとつになったままでいたい。
 蛍はくらくらとしながら、そんな愚かな願いが広がっていくのを感じた。自分は自分で思っていた以上に、タルタリヤのことを愛している。肌と肌を重ね合うことで彼女は実感した。そのように考えられる程度に冷静な自分は僅かながら存在したが、それも寄せては返す快感の渦に呑み込まれていってしまう。
「くっ……はっ、蛍……」
 彼の声も、明らかに普段と違う。そうさせているのが自分なのだと思うと、蛍の胸の奥が名の分からない想いで満たされていく。
「あ、あっ……んんっ……」
 身体を繋ぎ、精神を繋ぐ。蛍の声が、そしてタルタリヤの吐息が混じり合う。段々と高みを目指していくふたりは、更に唇を重ねた。
 こんな風に、誰かひとりを深く愛したことがあっただろうか。当然、大切な存在はお互いに居る。家族だとか、友人だとか、仲間だとか――そういった表現が使われる存在は何人も。だが、今の彼らはそのどれにも当て嵌まらない。恋人であり、永遠に愛し合いたい存在。そう説明すればいいのだろうか。咲いた花が瓣と命を散らすように、いつかすべてが終わる時も、一緒にいたいと願えるような、そんな人。
 机の上に置かれた花瓶の中、紅い花は無言だ。その眼差しが向けられたまま、蛍は達する。ああっ、と一際高い声が室内に広がったのと殆ど同時に。タルタリヤのそれを受け入れていた部分を含め、身体はびくびくと震えている。
 荒い息を何度も吐く彼女のことを、彼はじっと見ていた。蛍は草臥れているだろうが、タルタリヤはもう少し彼女を感じていたい。碧海のような色の目に宿される欲望。それを見て、なんとか呼吸を整えた蛍は横たわったまま彼の名を呼んだ。それが何を意味するのか、タルタリヤはよく理解っている。最早、確認は必要無い。無理をさせたくない気持ちはあったが、蛍が求めてくれているのならば、望んでくれているのならば、それには真摯に受け止めたい。当然、そんな「理由」の他にも、もっと彼女を感じていたいというものも、姿を隠すことなく存在しているのだけれど。

 ◇

 タルタリヤは隣の蛍を見た。彼女は彼との行為に溺れた結果、疲れ果てて眠りに落ちてしまった。やはり激しく求めすぎただろうか、彼は少し反省しつつ蛍の寝顔を見る。長い睫毛に、やや乱れた淡い金色の髪。剥き出しのままになっている白い肌。眠る蛍の唇に、タルタリヤはまたキスをした。
「……」
 こんなに幸せでいいのだろうか、とタルタリヤは考える。蛍という愛しい女性がいて、その愛を確認出来て――本当に幸福だ。
 彼は暫く視線を動かさなかったが、ふとその目線をスライドさせる。例の紅い花がひとつの花弁を落としているのが見えた。最後に残されたあの花も、ただただ独りで懸命に咲いていたあの花も、生命の終わりを迎える時が来たのかもしれない。先に萎れ、朽ちていった同胞を追いかけるように。
 人の生は、大抵そんな彼らよりずっと長い。タルタリヤはまた蛍のことを見た。胸元にはタルタリヤが咲かせた小さな紅い印が残されている。寝息は規則的で安らかで、彼は安心した。可能であれば、そんな彼女の生きる道を共に進んでいきたい。タルタリヤはそう願ってしまう。
 もし、彼女が氷の女皇へ剣を向けるようなことになれば――自分はどうするのだろうか。スネージナヤに蛍が足を踏み入れるのは当分先だろうが、きっと、その時自分は選択を迫られる。人間は花のように単純では無い。花のように、そして野生の獣のように、本能だけで生を繋いでいける訳では無い。
「――」
 タルタリヤは自らの左胸に手を押し当てた。どくどくと鼓動が感じられる。タルタリヤが見ていないうちに、紅い花がまた一枚、片割れを手放したようだ。目を覚ました蛍はそれを見て何を思うだろう。哀しくなるだろうか、それとも摂理であるとすべてを受け入れるだろうか。
「……蛍」
 ――君のことを愛している、ただその事実だけで、生きていけたら良いのに。
 タルタリヤは静かに寝台から離れ、落ちた花弁を摘み上げるのだった。

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